ファミスタ.熱闘

『ファミスタ.熱闘』は、バンダイナムコゲームス（NBGI）とハンゲームの運営元であるNHN Japanが共同で開発・運営した携帯電話（フィーチャーフォン）向けのソーシャルゲームです。長年にわたり親しまれてきた野球ゲーム「ファミスタ」シリーズの世界観を取り入れ、2010年 4月22日にハンゲ.jpおよびmobage（当時はモバゲーTOWN）でサービスを開始しました。基本的なプレイは無料で楽しめましたが、一部のゲーム内アイテムには課金が必要なシステムでした。続編である『ファミスタ.熱闘 -君とナイン-』へのサービス統合に伴い、2011年6月をもってサービスを終了しています。

ゲームシステム

プレイヤーは自分の野球チームを編成し、設定したチーム名のもと、反復的なトレーニングと試合を通じてリーグ優勝を目指します。この初代バージョンでは、個々の選手の詳細なデータは存在せず、「スキル」「パワー」「スピード」というチーム全体の三つの能力値のみがゲームの進行に影響を与えました。

トレーニング

「特訓球」と呼ばれるリソースを消費してチームを強化します。特訓球は時間経過で回復するか、アイテムによって補給できます。トレーニング自体は自動で実行されますが、一定回数のボタン操作に成功すると、フィールド上の選手全員に能力アップの表示が現れ、チームのスキル、パワー、スピードのいずれかが向上しました。通常時の能力成長はランダムでしたが、特定のアイテムを使うことで、望みの能力を優先的に強化することが可能でした。
また、チームが一定レベルに到達すると、「スキル習得特訓」に挑戦できます。これは通常の試合形式で行われ、相手投手から得点を奪い、相手の攻撃を抑えきると成功となります。成功すると、試合を有利に進める様々なチームスキルを習得できました。

試合

「試合球」を消費して他のプレイヤーが育成したチームとの対戦が行われました。試合も完全に自動で進行し、途中で「スキル」「パワー」「スピード」のチーム能力に対応したじゃんけん形式の三すくみが適用され、これによって打席の結果（ヒットかアウトか）が決定されました。例えば、パーがグーに勝つといった相性で優位に立った場合、その打席に限り対応する能力値が一時的に二倍になる仕組みでした。この対戦を繰り返しながら、ルーキー、アマチュア、マイナーといった所属リーグのランクを上げて、頂点を目指しました。
プレイヤーは、他のプレイヤー（ファミ友）が育てたチームから選手を一時的に借り、「助っ人」としてチームに加えることもできました。

ファミスタ.熱闘 -君とナイン-

『ファミスタ.熱闘』の改良・続編として、2010年 10月25日にサービスが始まったのが『ファミスタ.熱闘 -君とナイン-』です。前作からの大きな変更点として、架空のデータながら選手個々のパラメータが導入され、より詳細な選手育成が可能となりました。また、球場や練習施設への投資といった経営シミュレーションの要素が強化されています。

この作品には、本作専用のオリジナルチームだけでなく、『ワールドスタジアムEX』に登場した「草野球エラーズ」のような過去シリーズのチームや、「ナムコスターズ」「戦国サムライズ」といった定番チームも登場しました。さらに、150名以上の選手カードを収集する要素が加わり、トレーディングカードゲーム（TCG）のような楽しみも提供されました。2011年12月5日からは、iPhoneおよびAndroid向けの専用アプリケーション版も配信されましたが、最終的に2015年3月25日にサービスを終了しています。

ゲーム進行

前作とは異なり、トレーニングはチーム全体ではなく、選手個人を対象に行われます。選手には攻撃、守備、走塁、そして投手専用の投球という四つの育成タイプがあり、それぞれのタイプに合わせたトレーニングによって選手のレベルを上げていきます。育成設備のレベルを上げることで、一度のトレーニングで向上する能力値を増加させることができました。また、選手には活躍できる期間に「ピーク」が設定されており、ピークを過ぎた選手はレベルが高くても能力が大幅に低下するため、引退を促す必要がありました。

試合の種類

この続編では、主に「オープン戦」と「ファミスタトーナメント」の二種類の試合が用意されていました。いずれも試合球を消費してプレイします。

オープン戦: オリジナルチームとの対戦です。ファミスタトーナメントに参加するための予選のような位置づけで、ここで5勝することがトーナメント参加の条件でした。
ファミスタトーナメント: 複数のランクが設定されており、オープン戦での勝利やトーナメントでの優勝を通じて上のランクを目指します。トーナメントは3勝すれば優勝となりますが、途中で敗れても再挑戦が可能でした。最初のルーキートーナメントは1回、それ以降のトーナメントは通算3回の優勝で上のランクに進級できました。
* ファン争奪戦: 他のプレイヤーチームとの対戦です。勝敗によって獲得できるファン数が変動し、それに応じて試合で得られるFP（ファミスタポイント）が変化しました。

また、特定の目標達成を目指す「ファミスタチャレンジ」というシステムもあり、課題クリアに応じてボーナスポイントやアイテムが手に入りました。課題内容は「オープン戦で○勝」「特定施設のレベルを上げる」「ファンの人数を増やす」「選手名鑑に選手を登録する」など多岐にわたりました。

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