ファミリーボクシング

キングオブボクサー (ファミリーボクシング)

概要

『キングオブボクサー』は、1987年6月19日にナムコ（現在のバンダイナムコエンターテインメント）によって発売されたファミリーコンピュータ用のボクシングゲームです。海外では『Ring King』という名前でリリースされました。このゲームはファミコンにおける初のボクシングゲームであり、アーケード版『キングオブボクサー』を基にした移植作品です。シリーズとしては『プロ野球ファミリースタジアム』や『ファミリージョッキー』に続く、ファミリーシリーズの第三弾です。

ゲームはコミカルな要素が際立っており、プレイヤーはボクサーを操って、新人から世界チャンピオンへの道を目指します。多様なパンチやディフェンス、さらにはユーモラスな必殺技など、独自の操作感覚が魅力で、ボタンを連打して回復するインターバルも特徴的です。

プレイヤーは「パワー」ポイントを「パンチ」、「スタミナ」、「スピード」の三つのステータスに割り振ることで、自分のボクサーの能力を調整できます。経験を積むことでポイントが増え、良い成績を残せば、優れたボクサーを育成することが可能です。また、パスワードによる継続プレイに加えて、友人と選手同士で対戦する楽しみもあります。

本作には、カウンターパンチや空振りによるスタミナ消耗といったリアルな要素も組み込まれており、当時としては本格的なボクシング体験を提供しました。

トーナメント

リリース後、ナムコは「全国チャンピオン・トーナメント」を主催しました。このトーナメントには店舗予選と地域予選があり、最終的には全国的な決勝大会が行われました。優勝者は当時のナムコ広報担当者であるサラリーマン2号と、世界チャンピオンの座をかけて戦いました。地区チャンピオンには東京での決勝大会招待と、特製の金色カセットがプレゼントされました。

必殺技

このゲームの象徴とも言えるのが、コミカルでダイナミックな必殺技です。攻撃ボタンをタイミングよく押すことで発動するこれらの技は、一撃で試合をひっくり返す力を持っています。ただし、相手のカウンターパンチには要注意です。

• - きりもみフック：強烈なフックによって、相手は回転しながら打撃を受けます。
• - すっとびストレート：ロープまで相手を飛ばしてしまうパワフルなストレート。
• - ふっとびアッパー：相手を高く空中に飛ばすアッパーカット。絶妙なタイミングでヒットすると、リングの外に飛び出してTKOが得られることもあります。

移植作品

この作品は、1988年にソニー製のMSX2用ソフト『ファミリーボクシング MSXタイトルマッチ』として再リリースされました。その後も、2004年にはiモード向けのゲームとして、さらには2019年と2022年にはプロジェクトEGGでの配信が行われ、さまざまなプラットフォームでプレイ可能となりました。

『キングオブボクサー』は、アーケードから家庭用ゲーム機への移植を成功させた作品であり、ユニークなキャラクターたちと共にボクシングの楽しさを多くのプレイヤーに提供しました。

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