ファミレス2人射殺事件

ファミレス2人射殺事件

2005年4月25日午後8時55分ごろ、千葉県市原市内のファミリーレストラン「ジョナサン五井店」で、暴力団員同士のトラブルが発端となり、銃撃事件が発生しました。この事件により、2名の暴力団員が死亡するという痛ましい結果となりました。

事件は、慰謝料を巡る交渉が決裂したことから始まりました。店内には20名以上の客と従業員がいましたが、発砲された8発の銃弾の一部は周囲のテーブルに着弾したものの、幸いにも一般客にけが人は出ませんでした。

事件後、犯人グループの3人は現場から逃走しましたが、その後の捜査で、共犯の1人が市原市内の工場敷地内に停めた車の中で自殺しているのが発見されました。車内からは拳銃が見つかっており、自殺に使用されたものと断定されました。主犯格の暴力団員Mは、同年5月25日に茨城県内で逮捕され、共犯のHは2007年3月8日に水戸市内で逮捕されました。

裁判と判決

千葉地裁は2005年12月12日、Mに対して死刑判決を言い渡しました。検察側は「一般客を巻き込む危険性の高い犯行」と主張し、死刑を求刑。弁護側は「暴力団同士の事件」として寛大な判決を求めましたが、裁判所は「一般市民への危険を全く顧みない殺害」と判断しました。Mは控訴しましたが、東京高裁、最高裁も一審を支持し、2009年6月15日に死刑が確定しました。

共犯のHについても、千葉地裁は2007年10月26日に死刑判決を言い渡しました。裁判所は「一般市民を巻き込む危険性が極めて高く、地域社会に大きな衝撃を与えた」と指摘し、「強固な殺意に基づいた残忍かつ執拗な犯行」と断じました。Hも控訴しましたが、東京高裁、最高裁も一審を支持し、2011年12月15日に死刑が確定しました。

MとHは、2013年4月26日に東京拘置所で死刑が執行されました。Hについては、死刑確定からわずか1年4ヶ月という異例の早期執行となりました。

事件の背景とその後

この事件の舞台となったジョナサン五井店は、事件後に閉店し、建物は解体されました。跡地にはファミリーマートが建設されています。

なお、この事件と同日に、JR福知山線脱線事故という大規模な列車事故が発生したため、本事件は当時あまり大きく報道されませんでした。

この事件は、暴力団同士の抗争が一般市民を巻き込む危険性を示唆し、社会に大きな衝撃を与えた事件として記憶されています。

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