ファラガット (DD-348)

USSファラガット (USS Farragut, DD-348)

USSファラガット（DD-348）は、アメリカ海軍の駆逐艦であり、ファラガット級駆逐艦のネームシップです。その名は南北戦争において勇名を馳せたデヴィッド・ファラガット海軍大将に由来しています。ファラガットの建造は、1932年9月20日にマサチューセッツ州クインシーのフォアリバー造船所で始まりました。この艦は1934年に進水し、同年6月18日にエリオット・バックマスター中佐の指揮の下で就役しました。

艦歴の初期

ファラガットが就役した後、母港のノーフォークを基点に東海岸で慣熟訓練を行い、カリブ海での砲術訓練や対空射撃訓練に参加しました。1939年までの間、アラスカ方面での訓練航海や西海岸、ハワイ方面での艦隊訓練にも従事しました。

1941年12月7日の真珠湾攻撃の際、ファラガットは姉妹艦エールウィンと並んで停泊していました。艦長が上陸中だったため、上級将校が艦を指揮していました。攻撃が始まると、ファラガットは即座に反撃を開始し、その間に多くの敵機を撃墜する活躍を見せました。これにより多くの表彰を受けることになります。

戦争の中での役割

1942年4月15日、ファラガットは重要な空母「レキシントン」を中心とする任務部隊に加わり、南太平洋へ向かいました。この時期、日本軍が連合国の補給路に圧力をかけてきており、ファラガットはその防衛のために重要な役割を果たしました。5月の珊瑚海海戦では、敵機の攻撃に晒されながらも任務部隊を守り抜きました。

その後もファラガットはガダルカナル島の戦いを始めとして、多くの海戦に参加しています。日本機による攻撃が続く中、艦は重要な護衛任務や火力支援を行いました。特に、ファラガットは敵機からの攻撃を受けながらも、数回にわたり艦隊を守る任務を果たしました。

戦後の活動と退役

1943年から1945年にかけて、ファラガットはアラスカ地域での対潜哨戒やキスカ島の包囲戦、さらにマーシャル諸島やマリアナ諸島での戦闘に参加しました。多くの艦隊訓練を経た後、1945年5月には沖縄水域での護衛任務に従事し、戦争が終結を迎えると共に、任務を終えました。

最終的にファラガットは1945年10月23日に退役し、1947年には除籍の上でフィラデルフィアのノーザン・メタル社に売却されました。ファラガットは第二次世界大戦において多大な功績を残し、14個の従軍星章を受章しています。

この艦の歴史は、アメリカ海軍における勇気ある行動の象徴であり、多くの艦員たちの献身的な努力を反映したものといえるでしょう。

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