ファンクラブ (アルバム)

ASIAN KUNG-FU GENERATION 3rd Album 『ファンクラブ』

『ファンクラブ』は、日本のロックバンド、ASIAN KUNG-FU GENERATION（アジカン）が2006年3月15日にリリースした3枚目のフルアルバムです。キューンレコードから発売され、初回限定盤はスリーブケース仕様で、ステッカーシートが封入されていました。

概要

アルバムタイトルは、あらゆる音楽に対してファンであって欲しいという願いが込められています。また、楽曲全体の内容が比較的暗いものが多いため、あえて明るい名前が付けられました。バンドの公式ファンクラブは存在しません。

前作『ソルファ』とは異なり、楽曲制作とレコーディングは約2ヶ月間という短い期間で行われました。アルバムは、前作とは対照的に「繋がらない」ことや、「終焉」や「喪失」といったテーマを扱ったコンセプトアルバムとなっています。

ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』で初めてタイトルを発表した際、わざと「ファンク・ラブ (FUNK LOVE)」と読み間違えていました。

収録曲について

全作詞は後藤正文、全編曲はASIAN KUNG-FU GENERATIONが担当しています。

1. 暗号のワルツ
楽曲は3拍子で始まり、途中からドラムスのみが4拍子になり、サビで全パートが4拍子になるという複雑な構成です。後藤正文は制作当初からこの曲をトップトラックにする予定でしたが、リズムが理解しにくく、メンバー内でも意見が分かれました。BPMは200を超え、アルバムの中で最も速い楽曲です。
2. ブラックアウト
NANO-MUGENのコンピレーションアルバムに収録されているものとはバージョンが異なり、アコースティックギターがダビングされています。
3. 桜草
タイトルは桜草の花言葉に由来しています。
4. 路地裏のうさぎ
イントロは喜多建介が作曲しました。2006年のアルバムツアー以来、ライブで演奏されることはありませんでしたが、2024年の「ファン感謝祭2024」での人気投票でトップ10に入ったため、約18年ぶりに演奏されました。
5. 真冬のダンス
後藤正文の浪人時代の経験が基になっています。大学受験に失敗し、上京して新聞配達のアルバイトをしていた時に、初めて雪が積もった街を見て興奮し、団地の公園で一人で雪遊びをしてはしゃいでいるうちに、ふと虚しくなった時の感情と、真っ白な雪景色を対比させて表現した楽曲です。
6. バタフライ
後藤正文は、当初この曲を「蛾」というタイトルにしたがっていました。また、「一度全てを壊して作り直した曲」とも語っています。2007年の酔杯ツアー以来、ライブで演奏されることはありませんでしたが、2024年の「ファン感謝祭2024」での人気投票でトップ10に入ったため、約17年ぶりに演奏されました。
7. センスレス
イントロはアルバム発売前から完成しており、アルバム発売前はライブのオープニングとして演奏されることが多く、その後のライブでも最初に演奏されることが多い楽曲です。後藤正文はこのアルバムの中で最も気に入っている楽曲であると語っています。
8. タイトロープ
ライブの最後に演奏されることが多い楽曲です。

参加メンバー

後藤正文：ボーカル、ギター
喜多建介：ギター、ボーカル
山田貴洋：ベース、ボーカル
伊地知潔：ドラムス、パーカッション、ピアノ

『ファンクラブ』は、アジカンの音楽的な幅広さと、深遠なテーマ性を併せ持った作品であり、彼らの音楽性を語る上で欠かせないアルバムの一つと言えるでしょう。

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