ファンタジー (岩崎宏美のアルバム)

アルバム『ファンタジー』の概要

岩崎宏美のセカンドオリジナルアルバム『ファンタジー』は、1976年2月10日にリリースされ、レコード会社はビクター音楽産業です。本作は、彼女の音楽キャリアにおいて象徴的な意味を持つ作品であり、全10曲が収められています。アルバムの構成は、シングル曲「ファンタジー」と「センチメンタル」を含み、曲間にはDJの糸居五郎と岩崎のナレーションが挿入され、独特の世界観を演出しています。

特に注目すべきは、ロマンチックで感情豊かな楽曲群です。収録曲はそれぞれの作詞・作曲家の個性が反映されており、名曲の数々が並んでいます。例えば、「愛よ、おやすみ」は他のアーティストによってカバーされるなど、その影響力はビクターの壁を越え、多くのリスナーに愛されています。また、「グッド・ナイト」はヴァン・マッコイの名曲を大胆に引用しており、コンサートのアンコールではよく演奏された定番曲となっています。

アルバム制作とスタッフ

このアルバムの制作には豪華なスタッフが関わっています。ディレクターには笹井一臣が名を連ね、レコーディング・エンジニアを梅津達男が務めました。作曲・編曲は筒美京平と穂口雄右が担当し、歌詞には阿久悠とちあき哲也の才能が光ります。ナレーション部門では、糸居五郎と岩崎宏美がその美しい声を披露しています。

演奏陣も実力派揃いで、ドラムに田中清司、ベースには武部秀明、キーボード＆シンセサイザーには羽田健太郎と栗林稔が参加。リードギターは水谷公生が務め、さまざまなパーカッション、ブラスセクションが曲に深みと表情を加えています。

楽曲リスト

オリジナル盤

このアルバムには以下の楽曲が収録されています。

• - Side-A

1. パピヨン
2. キャンパス・ガール
3. ファンタジー
4. 愛よ、おやすみ (作詞: ちあき哲也)
5. 感傷的

• - Side-B

1. おしゃれな感情 (作詞: ちあき哲也)
2. ひとりぼっちの部屋 (作曲・編曲: 穂口雄右)
3. グッド・ナイト (作曲・編曲: 穂口雄右)
4. 月のしずくで
5. センチメンタル

その後のリリース

このアルバムは1991年にCD版として再発され、さらに2007年にはデジタルリマスターによる紙ジャケット復刻版も発売されました。復刻版ではボーナストラックとして、DJナレーションなしの版も収録されています。これにより、ファンはアルバムのオリジナルの音源を新たな形で楽しむことができます。

結論

『ファンタジー』は、岩崎宏美にとって重要な作品であっただけでなく、日本の音楽シーンにおいてもその存在感を示す一枚となっています。繊細なメロディと感情に訴える歌詞、巧妙なアレンジによって、今なお聴く者の心に響く名盤です。

もう一度検索