ファンタスティック・フォー (2015年の映画)

ファンタスティック・フォー (2015)

『ファンタスティック・フォー』は、マーベル・コミックのスーパーヒーローチームを描いた2015年のアメリカ映画です。この作品は、過去の映画シリーズのリブートとして位置づけられています。監督はジョシュ・トランク、脚本にはジェレミー・スレーターとサイモン・キンバーグが参加しています。主演にはマイルズ・テラー、マイケル・B・ジョーダン、ケイト・マーラ、ジェイミー・ベル、トビー・ケベルといった実力派俳優たちが名を連ねています。

製作と公開の経緯

この映画は、前作『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』の興行成績が悪化したことを受け、20世紀フォックスが新たにフランチャイズをリブートする決定を下した結果、2009年に開発がスタートしました。トランクが監督に抜擢されたのは2012年7月で、その後のキャスティングは2014年1月に行われました。主要撮影はルイジアナ州バトンルージュで2014年5月から2ヶ月にわたって行われ、その後スタジオの意向で再撮影が実施されました。

本作は2015年8月4日にニューヨークで初上映され、8月7日にアメリカ全土で公開されました。公開日を迎えると、批評家からの評価は非常に厳しいものでした。特にストーリーや演出面での不満が多く寄せられ、原作への忠実性や主要キャラクターの描写不足が指摘されました。

評価と興行収入

本作は、製作費が1億5,500万ドルに対し、全世界での興行収入は1億6,800万ドルに留まりました。この結果、約8,000万ドルの損失が発生しました。また、トランク監督は、スタジオの干渉による影響で最終的な作品に満足していない旨を語っています。

批評家の評価は極めて厳しく、Rotten Tomatoesのレビューでは、208件のうちわずか9%の支持を得るに留まりました。映画自体は「物質転送装置の開発に重きを置き過ぎて、アクションシーンがほとんど無い」との批判を受けています。その結果、2016年には第36回ゴールデンラズベリー賞において「最低作品」「最低前日譚・リメイク・盗作・続編」などの部門で受賞しました。

キャストとキャラクター

本作には、以下の俳優が主要キャラクターを演じました。

• - リード・リチャーズ/Mr.ファンタスティック - マイルズ・テラー（声：木村昴）
• - ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ - マイケル・B・ジョーダン（声：櫻井トオル）
• - スーザン・ストーム/インビジブル・ウーマン - ケイト・マーラ（声：堀北真希）
• - ベン・グリム/ザ・シング - ジェイミー・ベル（声：遠藤純平 / ゴリ）
• - ヴィクター・フォン・ドゥーム/Dr.ドゥーム - トビー・ケベル（声：阪口周平）

続編と映画権の帰属

続編の公開が2017年予定されていましたが、初作の商業的な失敗が影響し、最終的に中止となりました。また、2019年にディズニーが21世紀フォックスを買収したことで、映画化権がマーベル・スタジオに戻り、この映画が20世紀フォックスが配給した最後の『ファンタスティック・フォー』作品となりました。

このように、『ファンタスティック・フォー』は期待された作品ではありましたが、興行的にも批評的にも厳しい評価を受けることとなりました。

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