ファン・スペイク級フリゲート

ファン・スペイク級フリゲート

ファン・スペイク級フリゲートは、オランダ海軍の艦艇の一つで、1960年代に建造された。この艦級は、オランダ海軍が必要とした護衛艦の更新を目的として設計され、イギリス海軍のリアンダー級フリゲートをモデルにしている。ファン・スペイク級には合計6隻が建造され、退役後はインドネシア海軍に売却され、再び軍艦として運用されることとなった。

来歴

1950年、第二次世界大戦によるダメージを受けたオランダ海軍は、再建に向けた努力を始めた。アメリカ海軍からキャノン級護衛駆逐艦を導入し、艦隊の機能を回復させたが、1960年代にはこれら艦船も老朽化した。そこで、再建を目的として新型艦の計画が始まり、ファン・スペイク級が建造されることとなった。初めの4隻は1962年に、さらに2隻は1964年に発注された。

設計

ファン・スペイク級は、設計段階でリアンダー級フリゲートを基にしつつ、オランダ海軍のニーズに合わせて改良を加えている。艦橋はより広く設計され、主機には同じくリアンダー級が採用したタービンを使用しているが、能力を向上させるための改良も行われた。また、艦内の電気出力は1,900キロワットで、この構成は運用の安定性をもたらした。ただし、初期に建造されたF802とF804は、ボイラーの問題から早期に退役してしまったため、主機の交換が必要だった。

装備

竣工時の装備は、リアンダー級を踏襲したものであったが、国産の電子装備も加えられており、多様なセンサーが搭載されていた。長距離捜索用のLW-03、対空・対水上捜索用のDA-02、射撃指揮用のM44とM45が装備されており、対潜処理に必要なソナーも設定されていた。また、シーキャットミサイルシステムの導入により、防空能力が強化され、艦砲も、当時の他級と同程度の能力を持つものが選ばれた。特筆すべきは、ヘリコプターが運用できる初めてのオランダ海軍艦艇である点で、海上作戦の幅が広がった。

改修と近代化

1970年代に入った後、ファン・スペイク級フリゲートは、近代化改修を受けることとなった。この改修プロジェクトでは、最新の戦術情報処理装置の搭載や、各種センサーの更新が進められた。また、艦砲も最新鋭の早射式砲に改装され、対潜兵器関連も拡充された。これにより、装備の面でも現代化が図られ、任務遂行能力を向上させた。

インドネシア海軍での運用

退役後、インドネシア海軍に売却されたファン・スペイク級は、新たな艦隊の一部として再就役した。インドネシアでは、艦船の電子装備や武装系統のアップグレードがなされ、ミストラルミサイルや最新の対艦ミサイルが新たに搭載された。また、ヘリコプターの運用能力を維持しつつ新型機に変更し、運用の効率化を図った。これにより、近代的な海軍力として、インドネシアの防衛に貢献することになった。

ファン・スペイク級フリゲートは、オランダ海軍とインドネシア海軍において重要な役割を果たし続けている艦艇であり、その設計思想や装備の進化は、時代のニーズに応じて変遷したことを示している。

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