ファン・ディアス (キャプテン翼)

ファン・ディアス：アルゼンチンの至宝

ファン・ディアスは、高橋陽一氏による人気サッカー漫画『キャプテン翼』に登場する、アルゼンチン出身の天才サッカー選手です。その卓越したドリブルテクニックとアクロバティックなプレースタイルは、多くの読者を魅了しました。ここでは、彼の人物像、経歴、得意技、ゲームでの活躍などを詳しく解説します。

人物像

ファン・ディアスは、アルゼンチン代表の10番を背負うMFで、「アルゼンチンの至宝」と称されるほどの才能を持つ選手です。作中随一のドリブル能力に加え、体操選手のようなアクロバティックな動き、そして主人公・大空翼と同じドライブシュートを使いこなします。ブエノスアイレスのスラム街で育ち、幼少期からストリートサッカーで腕を磨いてきました。そこで出会った親友アラン・パスカルとは、絶大な信頼関係で結ばれており、共にプレーすることを条件にクラブへ入団するほどです。

当初はアジア人の実力を軽視していましたが、大空翼との対戦を通じて、彼をライバルとして強く意識するようになります。特に、翼の持つ天性のサッカーセンスに感銘を受け、その存在を認め、競い合うことで互いを高め合っていきます。

「サッカーはテクニック」という言葉を体現するように、ドリブル、パス、シュートの全てにおいて最高レベルの技術を持ちます。特に、その身軽さを活かしたアクロバティックな空中戦の能力は、他の選手の追随を許しません。また、100メートル走11秒台という俊足も持ち合わせており、トップスピードのプレーは、パスカルでさえついていけないほどです。

積極的な得点意欲を持つ一方で、低身長のため空中戦や高さ勝負では不利になることもあります。その不利を補うために、時にはハンドの反則も辞さないという一面も見られます。

経歴

クラブチーム

アルヘンティノス・ジュニアーズ
ボカ・ジュニアーズ
SSCナポリ

代表チーム

アルゼンチンJrユース代表
アルゼンチンユース代表
アルゼンチン五輪代表
アルゼンチンA代表

ジュニアユース編

日本戦で負傷したヘルナンデスの代わりにイタリア戦で5ゴールを挙げ、全日本戦では8人抜きを達成するなど、2試合で9ゴールを挙げる驚異的な活躍を見せます。その高い個人能力に頼ったワンマンチームとして描かれることもありましたが、大空翼の活躍に冷静さを失った際には、仲間の激励で本来のプレーを取り戻す一面も見られました。ディフェンス面では、翼を徹底マークしてシュートを再三防ぐも、5アシストを許し、予選リーグ敗退となります。

ワールドユース編

目立った活躍は少なく、準々決勝でドイツに敗退。これは、大会前のアルゼンチンリーグで腰を負傷し、本来の実力を発揮できなかったことが原因とされています。

LIVE TOGETHER 2010

アルゼンチンA代表の10番として、南アフリカW杯に向けた最終テストマッチで日本と対戦。マラドーナ監督の前で、マラドーナの5人抜きを超える6人抜きドリブルを披露し、若林源三からゴールを奪います。

ライジングサン

腰の怪我を完治させ、リベルタドーレス杯でボカ・ジュニアーズを優勝に導きます。その後、セリエAナポリへの移籍を内定させ、アルゼンチン五輪代表としてマドリッド五輪に参戦します。初戦のナイジェリア戦ではハットトリックを達成する活躍を見せますが、大空翼に追いつくため、人一倍の闘志を燃やしています。日本戦では、独力で若林から2ゴールを奪いますが、チームプレーで勝る日本に惜敗しました。しかし、その後のオランダ戦には勝利し、グループCを2位で通過しています。

得意技

ドライブシュート
ボールに縦回転をかけて放つロングシュートで、ゴール付近で急降下します。その威力は、GKがキャッチしてもボールごと押し込むほどです。Jrユース時代にこの技を使いこなしたのは、翼とディアスのみです。
バナナシュート
ボールに横回転をかけて放つシュートで、弧を描いて曲がり落ちます。全日本戦で同点ゴールを狙いましたが、石崎了と次藤洋の連携によって阻まれました。
オーバーヘッドキック
高い浮き球を、バク転しながらダイレクトでシュートする技です。
前転シュート
飛び込んで前転しながら、かかとでシュートする技です。ボールにカーブをかけることも可能です。翼がネオサイクロンを編み出すヒントとなりました。
ミラクルオーバーヘッド
側転で敵DFをすり抜け、バク転で勢いをつけ、そのままオーバーヘッドキックに持ち込む連続技です。
アルゼンチンコンビ（ゴールデンコンビ）
パスカルとの連続ワンツーで敵陣を突破するコンビ技です。
スノーボードドリブル
スノーボードのようにボールを滑らせ、その上に両足を乗せて相手選手を抜き去る技です。

ゲーム版での活躍

テクモ版のゲームでは、高い能力と多彩な必殺技を誇り、「天才の証明」という特殊能力によってドリブル中に能力値がアップします。

キャプテン翼II スーパーストライカー
翼が直前に完成させた「サイクロン」の初披露の相手として登場。「前転シュート」「天才の証明」「アルゼンチンコンビ」が追加されます。
キャプテン翼IV プロのライバルたち
「サイクロン」を習得し、ルートによっては翼の「ネオサイクロン」か、ディアス自身の「バク宙サイクロン」を習得します。
キャプテン翼V 覇者の称号カンピオーネ
「ネオサイクロン」「バク宙サイクロン」「天才の証明」は失われますが、「バナナシュート」が追加されます。また、サブストーリーでは、前回のコパ・アメリカでブラジル代表を破って優勝しています。

テクモ版での技

サイクロン
ボールにバックスピンを与えて真上に蹴り上げ、落下してきたボールでドライブシュートを放つ技。元々は翼が編み出した技だが、ディアスも習得。
ネオサイクロン
ボールに回転を与えてから前転シュートの要領で、かかとでシュートする技。サイクロンの欠点である足首への負担を避けることができます。
バク宙サイクロン
ボールに回転を与えてからバク宙しつつオーバーヘッドの態勢でシュートを放つ技。ディアスオリジナルのサイクロンの究極進化型です。
天才の証明
ドリブル中にランダムで発動し、ドリブル能力が大幅に上昇、ドリブルスピードが通常の倍速になります。

その他のゲームに登場する技

バウンドヘッド（ミラクルバウンド）
ミラクルオーバーヘッドでシュートを打つ際に、角度を変えて芝生でバウンドさせてからゴールするシュート。
南米式ドリブル
南米式のドリブルで敵を抜く技。
天才のドリブル突破
トップスピードのまま敵を次々と抜き去る技。
アルゼンチンコンビシュート
パスカルとのワンツーリターンから放つ側転バク転バク宙シュート。
ドライブオーバーヘッド
オーバーヘッドでドライブシュートを放つ技。
ハイパーボレー
高く蹴り上げた球をジャンピングボレーで叩き落とすシュート。

声優

大山尚雄 - 劇場版『世界大決戦!! Jr.ワールドカップ』
菊池正美 - カセットブック版
草尾毅 - OVA『新キャプテン翼』
大畑伸太郎 - テレビアニメ第3作
宮野真守 - 『たたかえドリームチーム』
* 松岡禎丞 - 『ZERO』、『RISE OF NEW CHAMPIONS』、テレビアニメ第4作


ファン・ディアスは、その類まれな才能と情熱で、『キャプテン翼』の世界を彩る重要なキャラクターです。彼の今後の活躍にも目が離せません。

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