ファージアスの邪皇帝

『ファージアスの邪皇帝』について

『ファージアスの邪皇帝』は、1990年12月から1992年1月まで、ゲーム誌『マル勝PCエンジン』で連載された読者参加型ゲームです。本作は同誌においてプレイヤーが主人公の行動を選択できる形式が採用され、さらにその結果が反映されることで物語が進行するというユニークなスタイルを持ちます。

開発背景

本作は、サイド企画として同誌の別の連載『ガイナウォーズ』と同じスタッフが関与しており、ファンタジーとSFの要素を組み合わせた「ネオ・メタル・ファンタジー」をテーマにしています。これにより、剣と魔法の戦いに加え、メカ兵器の登場など、想像力に富んだストーリー展開が実現されました。誌上では、漫画も連載され、その内容はゲーム化の影響を受けたため、元々の予定よりも話数が増えることになりました。

ストーリーの内容

物語の舞台はファージアス大陸で、かつては劣悪な環境が広がり、破壊神サイヴァを崇拝するジグラ族が唯一の住人でした。ある日、サイヴァは神聖な儀式の混乱から力の源「赤い眼球」を失い、眠りにつくことになります。この出来事をきっかけに、外部から新種族「ヒュマーノン」が侵入し、ジグラ族を駆逐していきますが、彼らの騒動によって眠れる破壊神が復活の危機を迎えます。

物語は、皇帝アーキーがジグラ族を率い、各国を征服するという緊迫した状況から始まります。最終的に、アレク国の王ギメルが起死回生の反攻作戦を決意し、多くの勇者たちが集まり、ファージアスの解放を目指して立ち上がります。

ゲームシステム

プレイヤーは自身のキャラクターを作成し、邪皇帝の軍と戦います。キャラクターは個々ではなく、パーティー単位で設定されます。作戦前には情報屋からの情報を元に選択を行うことができ、場合によっては有利に進めるヒントを得られることが特徴です。ただし、中には信頼性の低い情報も含まれています。

プレイヤーは、以下の項目を選択してゲームに参加します：
1. 部下：12の種族から3人を選び、それぞれに設定された属性値がパーティーの戦力となります。
2. リーダー：6つのギルドからひとつを選択することで、特殊能力が決まります。
3. アイテム：毎回異なる物から1つを選び、戦力を増強することが可能です。
4. ルート：ボスに至るまでの進攻ルートを選択し、対戦する敵の決定を行います。敵にも属性が設定されており、プレイヤーのキャラクターと比較されます。

コンピュータゲーム版

1992年にPCエンジン用のコンピュータゲームが発売されました。プレイヤーはコマンド選択式のロールプレイングゲームで、ファージアスのキャラクターたちと共に冒険を進めます。物語は、破壊神サイヴァとそれに立ち向かう英雄ディメオラの運命を描いたものです。ディメオラは四つの属性を併せ持つ伝説の英雄であり、プレイヤーが彼を導き、さまざまな試練に立ち向かわせることとなります。このゲームは、ヒューマンがこれまで多くのジャンルを手がけてきた中で、RPGという新たな挑戦として誕生しました。

評価と影響

『ファージアスの邪皇帝』は、ゲーム界において新たな風を吹き込んだ作品として評価されています。特に読者参加型のスタイルは、プレイヤーの関与を促し、物語の進行に大きな影響を与えることから、当時のゲームファンから熱心な支持を受けました。また、後のゲーム参加型作品やストーリー中心のRPGに多大な影響を及ぼしました。今なおその記憶はゲームファンの中で生き続けています。

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