フアン・デ・ウセーダ

フアン・デ・ウセーダ - 17世紀スペインの画家

フアン・デ・ウセーダ・カストロベルデ（Juan de Uceda Castroverde、1570年頃 - 1631年11月26日）は、17世紀のスペイン画家であり、主にセビリアで活動していました。彼は教会の祭壇画を数多く手がけ、当時の美術界に独自の影響を与えた人物です。

略歴

ウセーダの初期の人生については詳細がほとんど明らかになっていませんが、1570年頃にセビリアで生まれたと考えられています。彼は1590年頃まで、彫刻家であり画家でもあるアロンソ・バスケス（Alonso Vázquez）の工房で学び、その技術を磨きました。1593年には独立し、以降は自身の作品を作り始めることになります。

彼の最も初期の作品として知られるのは、1603年に制作されたもので、セビリアの聖ヘルメネギルド病院内の教会にある「聖ヘルメネギルドの昇天」を描いた油彩画です。この作品は、アロンソ・バスケスがメキシコに移ったために未完だったものをウセーダが完成させるという形で仕上げられたもので、報酬を受けた記録も残っています。現在、この作品はセビーリャ美術館に収蔵されており、聖母や天使たちが聖人の昇天を待つ様子が描かれているとされています。

スタイルと影響

ウセーダの絵画は、彼のスタイルがマニエリスムから変化していく過程を示しています。彼はフランドル出身の画家、フアン・デ・ロエラス（c.1570-1625）の影響を受け、新たなイタリアン・スタイルをセビリアに持ち込んだと考えられています。この影響は、特に彼の祭壇画に顕著に現れており、色彩や構図が豊かで、視覚的に魅力ある作品を生み出していました。

教会や聖堂の内部装飾を手がけた彼の作品は、当時の信者に強い宗教的な感動を与えるものであり、スペインの画壇において重要な位置を占めていました。ウセーダの功績は、その洗練されたスタイルと技術によって多くの後進の画家にも影響を与えました。

没年とその後

フアン・デ・ウセーダは、1631年にセビリアで亡くなりました。彼の作品や影響力は、セビリアの美術界において今もなお評価されています。ウセーダの作品は、彼の美術スタイルの変化や成長の一端を示しており、今日でも多くの美術愛好家や研究者にとって興味深い存在です。

参考文献

• - Jane Turner (Editor). Grove Dictionary of Art (1996, 34 vols.). (ISBN 1-884446-00-0)

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