フアン・ポンセ・デ・レオン

フアン・ポンセ・デ・レオン：探検家、コンキスタドール

フアン・ポンセ・デ・レオン（1474年 - 1521年7月）は、スペインの探検家、コンキスタドールとして歴史に名を刻んでいます。彼の生涯は、新世界の探検、征服、そして伝説と深く結びついています。

新世界への到達とプエルトリコ統治

ポンセ・デ・レオンは、クリストファー・コロンブスの新世界への二度目の航海に同行し、タークス・カイコス諸島に上陸後、イスパニョーラ島に移り住みました。彼はタイノ族によるイスパニョーラ島東部の征服を支援し、その報酬としてイグエイ地域の長官に任命されました。プエルトリコの富に関する情報を得た彼は、その地への探検許可を得て、1508年にサン・フアン港近隣に最初の入植地を建設しました。タイノ族の酋長アゲイバナは彼を歓迎し、ポンセ・デ・レオンは島の統制を確立、1509年にはプエルトリコの統治者に指名されました。

しかし、彼の統治下でタイノ族は要塞建設や鉱山での労働を強いられ、スペイン人が持ち込んだ病気により多くの命が失われました。彼は統治期間中に富を蓄え、レオノールというスペイン人女性と結婚し、二人の娘と一人の息子をもうけました。

統治権の剥奪とキューバ探索

クリストファー・コロンブスの死後、彼の息子ディエゴ・コロンブスは父親と同等の特権をスペインから得られませんでした。スペイン君主はポンセ・デ・レオンをプエルトリコの統治者として選びましたが、ディエゴ・コロンブスが裁判所で自身の権利を主張した結果、1511年にポンセ・デ・レオンはプエルトリコ統治の職を失いました。その後、彼はキューバ北部の探索権を獲得しました。

若返りの泉の伝説

ポンセ・デ・レオンは若返りの泉を探し求めてフロリダを発見したという伝説が広く知られています。若さを取り戻す泉の物語は、彼以前から存在していましたが、彼と泉探しの物語が結び付けられたのは彼の死後のことでした。ゴンサロ・フェルナンデス・デ・オビエドやフランシスコ・ロペス・デ・ゴマラなどの歴史家が、ポンセ・デ・レオンが精力減退を治癒するために泉を探したと記述しています。エルナンド・デ・エスカランテ・フォンタネダの回想録にも、泉がフロリダにあり、レオンがそれを探したという記述が見られます。

フロリダの発見と探検

1513年、ポンセ・デ・レオンは自費で3隻の船を準備し、探検航海に出発しました。同年3月27日に島を発見し、4月2日には現在のフロリダ州北東海岸に上陸、「ラ・フロリダ（花でいっぱいの地）」と名付けました。この名は、彼が上陸した時期がスペインの復活祭（パスクア・フロリダ、花の過越祭）の時期であったこと、そして現地に咲き誇る花々を見たことに由来すると言われています。フロリダではこの出来事を記念し、4月2日を「パスクア・フロリダ・デイ」として祝っています。

その後、ポンセ・デ・レオンはフロリダの海岸沿いを南へ航海し、川を海図に記録、フロリダ・キーズを通過してフロリダ西岸からロマーノ岬へと向かいました。ハバナを経由し、再びフロリダに戻り、プエルトリコへ帰還する前にチェケスタ（ビスケーン・ベイ）に停泊しました。

フロリダでスペイン語を話すネイティブ・アメリカンと遭遇したことから、彼がフロリダに到達した最初のヨーロッパ人ではないという説もあります。

晩年と最期

1514年、ポンセ・デ・レオンはスペインに戻り、グアドループのカリブ族の支配とフロリダの植民地化の職権を与えられました。しかし、1515年のグアドループ遠征は失敗に終わり、プエルトリコに滞在しました。1521年、彼は2隻の船でフロリダへの植民地建設を目指しましたが、カルーサ族の襲撃を受け、毒矢で肩を負傷。その傷が原因でキューバで死亡しました。彼の墓はプエルトリコのオールド・サン・フアンにあるサンフアン大聖堂にあります。

ポンセ・デ・レオンの生涯は、探検と征服の時代を象徴する物語として、今も語り継がれています。

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