フアン・マヌエル・モレーノ

フアン・マヌエル・モレーノ・ボニージャ（Juan Manuel Moreno Bonilla）は、1970年5月1日にスペインのバルセロナで生を受けた政治家です。彼は国民党（Partido Popular, PP）に所属し、2019年からはスペイン南部、アンダルシア州政府の首相を務めています。

彼のルーツはアンダルシアに深く関わっています。両親は共にアンダルシア州のマラガ県にあるアルアウリン・エル・グランデの出身であり、モレーノ自身も生後3ヶ月という早い時期に一家と共に両親の故郷へと戻り、そこで幼少期から青年期までを過ごしました。高等教育はマドリードに進み、カミーロ・ホセ・セラ大学で外交儀礼および制度関連の学問を修めました。

モレーノが政治の世界に足を踏み入れたのは、24歳の時でした。彼は国民党の公認候補として、地元のマラガ市議会議員選挙に立候補し、初当選を果たします。若くして政治家としてのキャリアをスタートさせた彼は、党内でも頭角を現し、国民党アンダルシア州支部の青年部長などを務めました。特に、1993年から1999年まで州支部長を務めたハビエル・アレナスの下で地域政治の経験を積みました。

彼の政治キャリアは地方議会、国会へと広がっていきます。1996年から2000年にかけてアンダルシア州議会議員を1期務めた後、2000年から2004年にはスペイン下院議員に転じました。一時的に国政を離れますが、2007年には再び下院議員として当選し、2011年まで活動しました。さらに、2014年から2017年にはスペイン上院議員を務め、2015年には15年ぶりにアンダルシア州議会議員としても政界復帰を果たしました。

党務においては、2014年3月1日に国民党アンダルシア州支部長に就任し、州における党勢拡大を担う立場となりました。このリーダーシップの下、2018年に行われたアンダルシア州議会議員選挙では、国民党は26議席を獲得し、それまで約40年間にわたり州政を主導してきたスペイン社会労働党（PSOE）に次ぐ第2党に躍進しました。

選挙結果を受けて、モレーノ率いる国民党は、21議席を得たシウダダノス（Cs）や12議席を得たVoxといった他党との連立交渉を進めます。その結果、彼らの支持を得ることに成功し、州議会での首相指名投票においてフアン・マヌエル・モレーノ・ボニージャが新たなアンダルシア州首相に選出されました。これは、スペインの民主化以降、長らく社会労働党が政権を担ってきたアンダルシア州において、初めて保守政党から誕生した州首相という歴史的な出来事でした。彼は、変化を求める有権者の期待を背負い、州政のかじ取りを担っています。

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