フアン・モリーヨ

フアン・バティスタ・モリーヨ：異国の地で奮闘したドミニカの右腕

フアン・バティスタ・モリーヨ（Juan Bautista Morillo）は、1983年11月5日生まれ、ドミニカ共和国サン・ペドロ・デ・マコリス出身の元プロ野球選手です。右投右打の投手として、メジャーリーグ、日本プロ野球、そして台湾プロ野球でプレーしました。

プロ入りとメジャーリーグでの挑戦

2001年にコロラド・ロッキーズと契約し、プロとしてのキャリアをスタートさせました。2005年には、将来有望な若手選手が集うオールスター・フューチャーズゲームに出場するなど、着実にステップアップ。2006年9月24日にメジャーデビューを果たし、夢を実現させました。

その後、ミネソタ・ツインズへ移籍。

東北楽天ゴールデンイーグルスでの挑戦と苦悩

2009年11月19日、東北楽天ゴールデンイーグルスへの入団が発表され、日本での新たな挑戦が始まりました。年俸5,000万円＋出来高払いの1年契約で、当初は阪神タイガースも獲得に興味を示していましたが、最終的に楽天が交渉を制しました。

2010年は、開幕直後に故障で離脱した福盛和男に代わるクローザーとして期待されました。しかし、制球難に苦しみ、4月10日に二軍での調整を余儀なくされます。その後一軍に復帰するも、右肘の炎症に悩まされ、9月には検査のため帰国。一軍での登板は7試合にとどまりましたが、球団は翌年の契約を継続することを発表しました。

東日本大震災と退団

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、モリーヨのキャリアに大きな影響を与えました。家族を安心させるため帰国し、3月31日に再来日する予定でしたが、結局戻ることはありませんでした。震災による精神的なダメージを理由に退団を申し入れ、4月14日に正式に退団が発表されました。これは、プロスポーツ選手が東日本大震災の影響でチームを退団した初のケースとして記録されています。

その後のキャリア

2012年3月25日、フィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結び、再びアメリカでのプレーを目指します。2013年にはメキシカンリーグを経て、台湾プロ野球の中華職業棒球大聯盟（CPBL）の義大ライノズに所属し、「強克」という登録名でプレーしました。

2014年2月11日には、ボルチモア・オリオールズとマイナー契約を結びましたが、オフに自由契約となりました。2015年には、第1回WBSCプレミア12にドミニカ共和国代表として出場し、国際舞台でもその実力を発揮しました。

プレースタイルと評価

モリーヨは、力強い速球と変化球を織り交ぜた投球が持ち味の投手でした。楽天時代は制球難に苦しみましたが、潜在能力は高く評価されていました。異国の地で様々な困難に直面しながらも、常に前向きに挑戦し続けた姿勢は、多くの人々に感銘を与えました。

主な記録と背番号

MiLBオールスター・フューチャーズゲーム選出：1回（2005年）
NPB初登板：2010年3月27日、対埼玉西武ライオンズ戦
背番号：52、51、31、50

代表歴

2015 WBSCプレミア12 ドミニカ共和国代表

フアン・バティスタ・モリーヨは、その野球人生において、様々な国やリーグでプレーし、多くの経験を積みました。震災という予期せぬ出来事にも見舞われましたが、常に前を向き、野球への情熱を持ち続けた彼の姿は、多くの人々に勇気を与えてくれるでしょう。

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