フアン・ラモン・ヒメネス

フアン・ラモン・ヒメネス・マンテコン

フアン・ラモン・ヒメネス・マンテコンは、1881年12月23日にスペインのウエルバ県モゲールで生まれました。彼は詩人としての道を歩む前に、セビリア大学で法律を学びましたが、その後、文学に惹かれマドリードへ向かいます。特に、モダニスモ文学の代表的な詩人ルベン・ダリオから強い影響を受け、詩の世界に傾倒しました。

彼の人生は喜びと悲しみの両面に満ちており、特に1900年に父を亡くして以来、精神的な不調を試練として経験しました。フランス・ボルドーの精神療養施設で過ごしていた際、フランス詩を学び、精神的な安定を求める中で詩作を続けました。この療養生活が後の重要な作品『プラテーロとわたし』の創作に影響を与えました。この作品は、彼の故郷や彼の愛ロバであるプラテーロとの交流を描いたもので、彼の代表作として広く知られています。

1911年に健康を取り戻し、再びマドリードに戻ります。1916年には、彼の人生の伴侶となったセノビア・カンプルビーと結婚します。セノビアは文学翻訳者としても知られ、彼女との関係はヒメネスにとって創作の重要な支えとなりました。夫妻はアメリカを旅行し、そこから新しい詩のスタイルへと進むきっかけを得ました。この時期、彼は韻律を排した自由詩、つまり“純粋詩”として知られるスタイルを確立します。

しかし、1936年にスペイン内戦が勃発すると、ヒメネス夫妻はキューバやアメリカへと逃れざるを得ませんでした。1946年からはプエルトリコに定住し、メリーランド大学でスペイン語とスペイン文学の教授として教鞭をとることになります。他国での生活の中でも詩を制作し続け、1956年にはノーベル文学賞を受賞しましたが、その喜びは短命に終わります。受賞の報せが届いた3日後、彼の妻は病に倒れ亡くなりました。

ヒメネス自身も1958年に亡くなり、彼と妻は故郷モゲールに埋葬されました。彼の作品は国際的にも評価され、特に『プラテーロとわたし』は世界中で愛され続けています。作品には歌や抒情詩が含まれ、彼の経験や感受性が色濃く表れています。彼は生涯の間に40冊以上の詩集を発表し、広範な文学的遺産を築きました。1982年には、2000ペセタ紙幣に彼の肖像が使用され詩人としての地位が再確認されました。彼の生活と作品は、多くの後進の詩人に影響を与え続けています。

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