フィアット・アルジェンタ

フィアット・アルジェンタ (ARGENTA) の解説

フィアット・アルジェンタは、イタリアの自動車メーカー、フィアットが製造・販売していた自動車です。1981年5月に市場に投入され、そのスタイリングと性能で一定の評価を得ました。アルジェンタは、フィアットのラインナップにおいて、132の後継モデルとして位置づけられました。

概要

アルジェンタは、1981年5月に販売が開始されました。当初から、その洗練されたデザインと快適な乗り心地が特徴でした。しかし、販売から数年後には、より高い操縦性を求める声が大きくなり、1984年にマイナーチェンジが実施されました。

マイナーチェンジでは、フロントグリルのデザインが大きく変更され、フィアット・ウーノと同様に5本の縦縞が採用されました。これにより、よりモダンな印象を与えると共に、ブランドイメージの統一が図られました。さらに、フロントトレッドが40mm拡大され、リアサスペンションにはアンチロールバーが追加されました。これらの改良により、操縦安定性が大幅に向上し、よりスポーティーな走行性能を実現しました。

また、マイナーチェンジでは、新たなエンジンオプションも追加されました。フィアット初のターボディーゼルエンジン（2,435cc 90馬力）は、燃費性能とトルクフルな走りを両立させました。さらに、131ヴォルメトリーコ・アバルト・ランチア・ベータと共通のスーパーチャージャー付きガソリンエンジン(1,995cc 135馬力)を搭載した「アルジェンタ・VX」が追加され、より高性能なモデルを求めるユーザーにも応えました。このモデルは、アルジェンタのスポーティーな側面を強調するものでした。

日本市場においては、当時のフィアット輸入元の一つであった近鉄モータースによって、DOHC 2,000cc・3ATモデルが1982年頃に少数輸入されました。当時の日本では、フィアットの輸入車は珍しく、アルジェンタもその一台として、一部の愛好家に支持されました。

車名の由来

車名の「ARGENTA (アルジェンタ)」は、イタリア語で「銀」を意味します。この名前は、アルジェンタの洗練されたスタイリングと、高品質なイメージを表現するために選ばれたと考えられます。

技術的な特徴

アルジェンタは、当時のフィアットの最新技術が投入されたモデルでした。特に、サスペンションの改良やエンジンオプションの追加は、アルジェンタの走行性能を大きく向上させました。また、ターボディーゼルエンジンやスーパーチャージャー付きガソリンエンジンの導入は、フィアットの技術力を示すものでした。

アルジェンタの遺産

アルジェンタは、フィアットの歴史の中で、重要なモデルの一つとして位置づけられます。その洗練されたデザインと、技術的な進歩は、後のフィアットのモデルにも影響を与えました。また、日本への輸入は、フィアットのブランドを日本市場に浸透させる一助となりました。

関連情報

• - フィアット
• - フィアット・132
• - フィアット・クロマ

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