フィジーの国旗

フィジーの国旗：デザイン、歴史、そして変更検討の経緯

フィジー共和国の国旗は、1970年10月10日の独立を記念して制定されました。その後、国章には一部変更が加えられたものの、国旗自体のデザインは変わらずに現在まで使用されています。

デザインの概要

フィジーの国旗は、かつてのイギリス植民地であった国々によく見られる、ユニオンジャックを左上（カントン部）に配したブルー・エンサインのデザインを踏襲しています。特徴的な点として、通常のブルー・エンサインは政府旗として使用され、一般の国旗としては水色地の旗が用いられています。

独立前の国旗も現在のものとほぼ同じデザインでしたが、独立前は青地がより濃い色合いでした。また、国章も現在の盾部分だけでなく、人物、カヌー、リボンを含む全体が描かれていました。

国旗変更の検討と取りやめ

興味深いことに、フィジーは1987年から1997年までイギリス連邦を一時的に離脱していた期間も、ユニオンジャックがデザインされた国旗を使用していました。その後、ユニオンジャックのない新しい国旗の採用に向けて動き出し、いくつかのデザイン案に絞り込みましたが、正式な採用には至りませんでした。

2005年11月には、評議会において国旗内の国章を独立前の紋章に戻すべきであるとの決議がなされました。さらに2015年2月には、国旗をユニオンジャックのない「太平洋地域の国家」をイメージした新しいデザインとする方針が発表されましたが、具体的なデザインは決定していませんでした。

しかし、翌2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックの7人制ラグビーで、フィジー代表が金メダルを獲得し、国民が現行の国旗を振って祝福する姿を見た首相が心を動かされたという理由から、国旗の変更を取りやめることを発表しました。この出来事は、国旗が国民のアイデンティティと深く結びついていることを改めて認識させるものとなりました。

多様な旗の存在

フィジーには、国旗以外にも様々な旗が存在します。例えば、大統領旗や軍旗など、用途や目的によって異なるデザインの旗が使用されています。

歴史的な旗

過去には、現在の国旗とは異なるデザインの旗も使用されていました。これらの旗は、フィジーの歴史や文化を反映しており、貴重な資料となっています。

まとめ

フィジーの国旗は、独立以来、国民のアイデンティティの象徴として親しまれてきました。変更の検討もあったものの、国民の祝福する姿が首相の心を動かし、現在も同じデザインが使用されています。この国旗は、フィジーの歴史、文化、そして国民の誇りを表すものとして、今後も大切にされていくことでしょう。

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