フィリアプーラ

フィリアプーラ：清らかな娘の競走生活と繁殖への道

2016年4月3日、北海道安平町のノーザンファームで誕生したフィリアプーラ（Figlia Pura）。イタリア語で「清らかな娘」を意味するその名には、母名への敬意が込められています。一口馬主法人「キャロットクラブ」から募集され、ノーザンファーム空港牧場で育成されました。育成期は華奢な体格で目立つ存在ではありませんでしたが、潜在能力を秘めていました。

美浦・菊沢隆徳厩舎に入厩したフィリアプーラは、2018年10月14日、東京芝1800mの新馬戦でデビュー。上がり3F最速タイの33秒5という驚異的な末脚を武器に、3着とまずまずのスタートを切ります。この末脚には、育成時代の調教主任も驚くほどの切れ味がありました。続く未勝利戦では、直線で10頭を抜き去る圧巻の走りで初勝利を飾ります。

3歳初戦となったフェアリーステークスでは、大きな舞台で真価を発揮します。最内枠からのスタートでしたが、直線で外に持ち出して追い込み、ホウオウカトリーヌとの激しい叩き合いを制し、見事重賞初制覇を達成しました。この勝利は、フィリアプーラの潜在能力の高さを証明するものでした。

しかし、フェアリーステークス以降は勝ち星に恵まれませんでした。2021年10月16日、府中牝馬ステークスで18着に終わった後、現役を引退。同年10月20日付で競走馬登録を抹消されました。

華々しい勝利の瞬間だけでなく、幾多のレースを経験し、競走馬としてのキャリアを終えたフィリアプーラ。その競走生活は、彼女自身の才能と、関係者たちの献身的な努力によって彩られました。

引退後はノーザンファームで繁殖牝馬としての新たな道を歩み始めます。その未来に大きな期待が寄せられています。

血統背景：輝ける一族の系譜

フィリアプーラの血統には、競走界で名を馳せた名馬たちの血が流れています。母プリンセスカメリアは中央で1勝を挙げ、その母ラトラヴィアータは、あの名馬サクラバクシンオーの全妹にあたる名血です。半兄には、2011年の朝日杯フューチュリティステークスを制したアルフレードがおり、その実績からもフィリアプーラの能力の高さがうかがえます。

2000万円の価値：一口馬主と育成の軌跡

フィリアプーラは、一口馬主法人「キャロットクラブ」から1口5万円×400口、総額2000万円で募集されました。ノーザンファーム空港牧場で大切に育成され、デビュー戦からその潜在能力の高さを示しました。育成段階での評価や、デビュー後の活躍は、一口馬主たちの期待に応えるものであったと言えるでしょう。

競走成績（netkeiba.comの情報に基づく）：華麗なる一瞬と苦悩の軌跡

フィリアプーラの競走成績は、華々しい重賞勝利と、その後苦戦を強いられた時期の両方を示しています。フェアリーステークスの勝利は、その才能の片鱗を示すものでしたが、その後は思うような結果を残すことができませんでした。それでも、彼女は最後まで走り続け、多くの関係者たちの記憶に刻まれました。

繁殖成績（2024年9月26日現在）：未来への繋ぎ

引退後は繁殖牝馬となり、その血統と能力を次世代へと繋ぐ役割を担います。今後の繁殖成績にも注目が集まります。

フィリアプーラの物語は、競走馬としての輝かしい瞬間と、繁殖牝馬として未来へ繋ぐ希望を象徴するものです。彼女の一生は、多くの関係者にとって忘れられない記憶として、そして競走界の歴史の一部として語り継がれていくでしょう。

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