フィリップ・オーモン

フィリップ・オーモン（Phillippe Aumont）は、1989年1月7日生まれ、カナダ・ケベック州ガティノー出身の元プロ野球選手です。ポジションは投手で、右投左打でした。

生い立ちとプロ入り前

野球好きの父親の影響で11歳から野球を始め、当初は中堅手でしたが、父親との投球練習を通じて投手の才能を開花させました。両親の離婚後には非行に走る時期もありましたが、コーチの支えにより更生し、才能を開花させました。高校時代はカナダのナショナルチームに選出されるなど、早くから注目を集めていました。

MLBでのキャリア

2007年のMLBドラフトでシアトル・マリナーズから1巡目（全体11位）で指名され、プロ入りを果たしました。これはケベック州出身選手としては史上初の快挙であり、カナダ人選手としても歴代3位の高順位指名でした。マリナーズ傘下では、A級、A+級、AA級でプレーし、2009年には第2回WBCのカナダ代表にも選出されました。その後、2009年オフにクリフ・リーとのトレードでフィラデルフィア・フィリーズへ移籍し、2012年8月23日にメジャーデビューを果たしました。2013年には第3回WBCにカナダ代表として出場しています。

MLB以降のキャリア

2015年にはトロントパンアメリカン競技大会の野球カナダ代表に選出され、金メダルを獲得しました。その後、トロント・ブルージェイズ傘下、シカゴ・ホワイトソックス傘下を経て、2017年にはカナダの独立リーグであるカナディアン・アメリカン・リーグのオタワ・チャンピオンズと契約。2018年にはデトロイト・タイガースとマイナー契約を結びましたが、再びオタワ・チャンピオンズへ復帰しました。2019年にはトロント・ブルージェイズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに参加しましたが、2020年6月30日に現役引退を表明しました。

引退後

引退後も、2023年の第5回WBCカナダ代表に選出されたほか、サンティアゴパンアメリカン競技大会予選の野球カナダ代表にも選出されるなど、野球への情熱を持ち続けています。

投球スタイル

約2メートルの長身から投げ下ろす、150km/hを超える速球と、落差の大きいカーブが持ち味です。リリーフ投手として高い能力を発揮し、メジャーでのクローザーとしての将来性も期待されていました。

代表歴
2009 ワールド・ベースボール・クラシック・カナダ代表
2013 ワールド・ベースボール・クラシック・カナダ代表
2015年パンアメリカン競技大会男子野球カナダ代表
2015 WBSCプレミア12 カナダ代表
2019 WBSCプレミア12 カナダ代表
2023 ワールド・ベースボール・クラシック・カナダ代表
* 2023年パンアメリカン競技大会予選野球カナダ代表

フィリップ・オーモンは、カナダ野球界を代表する選手の一人として、記憶されるでしょう。

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