フィリップ・レスラー

フィリップ・レスラー：ドイツ政界の異才

フィリップ・レスラー（Philipp Rösler）は、1973年2月24日生まれのドイツの政治家、医師、そして元軍人です。自由民主党（FDP）の党首として、ドイツ政界で重要な役割を果たしました。

生い立ちと軍歴

レスラーはベトナムのメコンデルタ地帯で生まれました。生後9ヶ月で西ドイツへ養子として引き取られ、ドイツ人の家庭で育ちました。養父はドイツ連邦軍のパイロットであり、幼少期は兵舎で過ごすという異色の経歴を持ちます。ハノーファー医科大学で医学を学び、軍医見習いとしてドイツ連邦軍に入隊。ハンブルクの連邦軍病院で医師研修を行い、医学博士号を取得後、軍医大尉として退役しました。

政治家としてのキャリア

1992年、19歳で自由民主党（FDP）に入党。ニーダーザクセン州のFDP事務局長や郡議会議員、州議会議員などを歴任し、着実に政治家としての地位を確立していきます。2009年にはニーダーザクセン州の経済・労働・交通大臣兼副首相に就任。同年、第二次メルケル内閣に保健大臣として入閣しました。これはドイツ史上初の移民系出身の大臣として、大きな注目を集めました。

2011年には副首相兼経済技術大臣に横滑りし、FDPの党首にも選出されました。しかし、党首就任後は党勢が低迷し、2013年の連邦議会選挙でFDPは議席を失うという結果に。これを受け、レスラーは党首を辞任しました。

その後

2014年からは世界経済フォーラムの経営委員を務めています。

人物像

レスラーは、アジア系の外見を持ちながらも、内面はドイツ人であると自認しています。自身がドイツで昇進できたのは、ドイツが開かれた国であるからだと述べています。故郷ベトナムへは一度だけ、妻に説得されて行ったことがあるそうです。

まとめ

フィリップ・レスラーは、ベトナム出身という異色の経歴を持ちながらも、ドイツ政界で重要な役割を果たした人物です。彼の経歴は、ドイツ社会の多様性と開放性を象徴するものと言えるでしょう。

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