フィリピン国鉄南方本線

フィリピン国鉄南方本線の概要

フィリピン国鉄南方本線（Pangunahing Linyang Patimog ng Pambansang Daambakal ng Pilipinas）は、フィリピン国鉄の重要な鉄道路線の一つであり、マニラ首都圏とアルバイ州レガスピを結んでいます。この路線は、国内の主要交通手段として、地域経済の発展や人々の移動に寄与しています。ここでは、この鉄道の歴史と現在進行中の再建計画について詳しく見ていきます。

歴史

この路線の歴史は非常に古く、1908年3月25日にブルメントリット-サンタ・メサ間の区間が開業されました。その後、1937年11月17日にアロネロス-ラガイ間の最後の区間が開通し、1938年にはレガスピ支線が統合されてマニラと接続しました。同年1月には、マニラ-レガスピ間の貨物列車の運行を開始し、旅客サービスも同月31日から「ビコール・エクスプレス」として提供されるようになりました。

しかし、1941年の第二次世界大戦中、日本軍の侵攻により運行が停止。1943年3月22日には大日本帝国陸軍によって復旧されましたが、再び米軍によるフィリピン奪還作戦によって破壊され、1948年12月21日より運行が再開されました。1970年代には、通勤営業が始まりますが、マヨン火山の影響を受けることが多く、幾度か運行が停止しました。

その後、2006年にはグイノバタン近郊の橋の洪水による被害で再度運行が中止され、2014年にはユニバーサルサービスが終了しました。現在の旅客サービスは、トゥトゥバン駅からママティド駅までの区間のみに制限されています。

再建計画

現在、フィリピン政府はマニラを通して南北をつなぐ鉄道の再建計画を進めています。ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の下、南部通勤線の全体を複線電化する計画があり、マニラからロス・バニョスまでの路線拡大が目指されています。

2017年には、国家経済開発庁がレガスピとマトノグ、さらにはバタンガス州への延伸を含む新しい長距離鉄道の建設を承認しました。このプロジェクトには約1330億フィリピンペソの資金が必要で、日本の国際協力機構（JICA）の協力を得ながら進行しています。初年度には一日あたり約30万人の乗客を見込んでいるとのことです。

さらに、レガスピからマトノグまでのビコール線の再建やカランバからバタンガスまでの新路線の建設が予定されています。この計画も、国家経済開発庁によって承認されましたが、具体的な建設スケジュールは示されていません。建設には中国の資金協力も見込まれており、現在の計画では新しい標準ゲージが採用され、初めは単線として機能し、将来的には複線化が進められる予定です。

駅一覧

南方本線には、数多くの駅が存在します。歴史的には一部の駅が撤廃されているため、駅名の中にはイタリック体で記載された旧駅名も含まれています。

関連項目

この鉄道路線に関しては、フィリピン国鉄北方本線、フィリピン国鉄首都通勤線、アンティポロ線、レガスピ地域線なども関心が寄せられています。

今後の発展に期待しつつ、フィリピン国鉄南方本線が地域にとってどのような役割を果たすのか注目することが重要です。

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