フィリベルト2世・ディ・サヴォイア

フィリベルト2世・ディ・サヴォイア（1480年4月10日 - 1504年9月10日）は、サヴォイア公、ピエモンテ公など多くの爵位を保持した人物です。フランス語ではフィリベール2世・ド・サヴォワと呼ばれ、「イル・ベッロ（美男）」という異名を持ち、その容姿と武術の才能で知られていました。

生涯

フィリベルト2世は、フィリッポ2世と最初の妻マルグリット・ド・ブルボンの間に生まれました。母方の伯父であるブルボン公ピエール2世の妻で、父方の従姉にあたるアンヌ・ド・ボージューのもとで教育を受けました。この教育環境は、後のフィリベルト2世の人生に大きな影響を与えたと考えられます。

1496年、フィリベルト2世は従兄の娘であるヨランダと結婚し、翌1497年に父の死によりサヴォイア公位を継承しました。しかし、ヨランダとは1499年に死別し、その後、神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世の長女マルゲリータと1501年に再婚しました。

フィリベルト2世自身は政治にあまり関心がなかったとされますが、妻マルゲリータは政治に積極的に介入しました。彼女はフィリベルトの庶兄であるルネ・バタールを、法的根拠に基づいて解任し、国外追放しました。この決断は、公国の政治腐敗を正すための重要な一歩となり、彼女のリーダーシップのもと、小規模ながらも国の経済は回復に向かいました。

夫婦仲は非常に良好でしたが、結婚から3年後の1504年、フィリベルト2世は狩猟中に飲んだ生水が原因で亡くなりました。二人の妃の間に子供はなく、公位は異母弟のカルロ3世が継承しました。フィリベルト2世はマルゲリータが建設したブール＝カン＝ブレスの霊廟に埋葬され、彼の死後、マルゲリータは生涯独身を貫きました。

フィリベルト2世の短い生涯は、その美貌と武勇、そして妻マルゲリータの政治的才能によって彩られました。彼の治世は短くとも、サヴォイア公国における重要な転換期であり、彼の死後もマルゲリータの影響力は公国に残り続けました。

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