フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅

フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅（Stazione di Santa Maria Novella, SMN）は、イタリアのフィレンツェにある主要なターミナル駅です。SMN駅とも略称され、ボローニャ-フィレンツェ線の南側の終点、フィレンツェ＝ローマ線の北側の終点として機能しています。また、フィレンツェ-ローマ高速線やピサ方面へ向かうレオポルダ線の列車も乗り入れています。

2009年12月13日には、ボローニャ方面への高速新線（ボローニャ-フィレンツェ高速線）が、フィレンツェ・カステッロ駅から分岐する形で開業し、当駅に乗り入れています。

歴史

駅舎は1932年に、ジョヴァンニ・ミケルッチやイタロ・ガンベリーニを含む建築家集団グルッポ・トスカーノによって設計されました。ただし、グルッポ・トスカーノは駅舎正面の建物のみを担当し、プラットフォームやベンチなどは通信省の建築家アンジョロ・マッツォーニが設計しました。

1932年から1934年にかけて建設された駅舎の設計は、上から見るとベニート・ムッソリーニのファシズム運動の象徴であるファスケスを模しており、イタリア・モダニズムの重要な作品の一つとして評価されています。設計コンペは大きな論争を呼びましたが、ムッソリーニがグルッポ・トスカーノのプロジェクトを承認したことは、現代性が公式に受け入れられたことを示しています。新駅舎は老朽化したレオポルダ駅に代わり、フィレンツェの中心玄関口として機能するように設計され、その現代的な建物は近くのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会のゴシック建築とは対照をなしています。

駅構造

この駅は、ヨーロッパのターミナル駅によく見られる頭端式ホームを採用しています。ユーロスター・イタリアなどのローマ・ナポリ（南）方面とミラノ・ヴェネツィア（北）方面を結ぶ列車は、この構造のため、当駅で折り返し運転（スイッチバック）を行います。

一部の中長距離列車は、折り返しの手間を避けるためにSMN駅を経由せず、その北方にある短絡線を経由して、フィレンツェ・リフレディ駅やフィレンツェ・カンポ・ディ・マルテ駅に停車する場合があります。

高速新線（アルタ・ヴェロチタ）を経由するユーロスター・イタリア・アルタ・ヴェロチタ（ユーロスターAV）も、一部が当駅で折り返し運転を行っています。しかし、この折り返しによる時間ロスを解消するため、駅の北1kmに位置する車両基地を改造し、高速列車専用のフィレンツェ・ベルフィオーレ駅を建設する工事が進められています。将来的には、ユーロスターAVなどはSMN駅に代わって、ベルフィオーレ駅を発着駅とする予定です。

駅のコンコースは特徴的な天窓で覆われており、自然光が差し込む設計となっています。8番線近くには、第二次世界大戦中にユダヤ人がナチス・ドイツによって強制収容所へ送られたことを追悼する記念額が設置されています。

関連項目

* ヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリ（NTV）

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