フィールドワーク (曲)

フィールドワーク (Field Work)

1985年に発表された「フィールドワーク」は、日本の音楽家坂本龍一とイギリスのミュージシャン、トーマス・ドルビーの共作によるシングルです。このシングルは、坂本とドルビーのクリエイティブな相互作用を反映した作品として注目されました。

制作背景とアレンジ

この曲のアレンジは坂本龍一と立花ハジメが手掛けており、立花はアートディレクションも担当しました。シングルは12インチ盤と7インチ盤の2種類がリリースされ、12インチ盤の収録曲は若干演奏時間が長く、リスナーにより深い音楽体験を提供します。

特に印象的なのは曲の冒頭で響く「ショワー」という音色です。この音はヤマハDX7から発せられ、名付けて「フランジド・オーケストラ」と呼ばれる特徴的なサウンドです。実は、この音は坂本が独自に作り上げたものではなく、先に他者から譲り受けたものであり、入手して間もなくのレコーディングで使用されました。音楽の創造性が、他者との交流を通じて形成される瞬間を示していると言えるでしょう。

プロモーションビデオ

また、このシングルには坂本とトーマスが出演するプロモーションビデオも存在します。ロサンゼルスで撮影されたこのビデオでは、坂本がトーマスを殴るという衝撃的な場面があり、坂本はトーマスを「なかなかのディレクター」と評価しています。このようなユーモアあふれるやり取りも、二人の関係性を物語る一因かもしれません。

ラジオ番組での紹介

坂本がパーソナリティを務めていたFM東京の番組「不思議の国の龍一」では、特集としてこの曲に焦点を当てました。そこで流されたのは、レコーディング初日に録音されたドラムとDX7によるコード弾きのテイクで、これが曲の初期のバージョンとされています。この時、坂本はこのシングルの完成までに数ヶ月を要したとコメントしています。

収録曲一覧

「フィールドワーク」の収録トラックは以下の通りです：

• - Field Work (LON)

作詞・作曲：坂本龍一、トーマス・ドルビー
トーマス・ドルビーによるロンドンミックスのバージョン。

• - Field Work (TYO)

作詞・作曲：坂本龍一、トーマス・ドルビー
坂本とエンジニアの飯尾芳史による東京ミックスのバージョン。

• - Exhibition

作曲：坂本龍一

シングルの内容は、12インチ盤のA面に「Field Work (LONG-LON)」と「Field Work (LONG-TYO)」、B面には「Exhibition」が収録されています。7インチ盤ではA面に「Field Work (LON)」、B面に「Field Work (TYO)」が収められています。

「フィールドワーク」は、坂本龍一とトーマス・ドルビーのユニークなコラボレーションを色濃く反映した作品であり、当時の音楽シーンにおいて重要な位置を占めています。

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