フェアチャイルド 24

フェアチャイルド 24（Fairchild Model 24）

フェアチャイルド 24は、1930年代にアメリカで開発された軽輸送機で、当時の航空業界において特に注目を集めました。この機体は、4人乗りのパラソル翼を特徴とする単葉機であり、アメリカ陸軍ではUC-61として軍用に採用され、イギリス空軍ではフェアチャイルド アーガスという名称で運用されました。

開発の背景

1930年代初頭の大不況の影響で、航空会社からの旅客機注文が減少する中、フェアチャイルド社は耐久性が高く、信頼性に優れた小型機の開発を目指しました。その結果、1932年に初飛行を果たしたフェアチャイルド 24は、良好な操縦性や居住性が評価され、瞬く間に人気モデルとなりました。デザインの多くの部分には自動車の部品が流用され、手頃な価格とメンテナンスの容易さも魅力の一つでした。このモデルは、基本的な設計を保持したまま、1932年から1948年までの長期間にわたり生産されました。

機体の特徴

フェアチャイルド 24の特筆すべき特徴は、油圧ダンパーを使用した強固な主脚です。この設計により、整備が行き届かない草地の飛行場でも運用が可能でした。また、必要に応じて水上機としても運用できるフロートを装着することができ、多用途に対応することができたことも高く評価されました。実際、50年以上が経過した現在でも飛行可能な機体が存在することが、このモデルの頑強さを証明しています。

生産と運用

フェアチャイルド社では1500機以上の民間型が生産され、その後、戦後はTexas Engineering & Manufacturing Companyが製造権を取得し、さらに280機が作られました。民間では主にビジネスマンやハリウッドの俳優たちがこの機体を購入しました。

アメリカ海軍もこの機体に目をつけ、研究用および機上訓練機としてGK-1やJK-1の名で採用しました。また、アメリカ陸軍は軽輸送機として、沿岸警備隊や市民航空警備隊も採用しました。第二次世界大戦中には、一部のフェアチャイルド 24がUボートを警戒する任務に使用されました。

1941年にはアメリカ陸軍が実質的な採用を行い、163機のC-61型が発注されました。その多くは海外に供与され、イギリスではアーガス Iとして運用されました。これに加えて、性能改善が施されたアーガス IIやエンジンが変更されたアーガス IIIも生産され、その多くが航空輸送業務に従事しました。

1940年代には、日本でも一機のモデルF-24 Kが分解状態で輸入され、立川飛行機により組立てられ、日本陸軍に納入されました。この機体は主に研究目的や、陸軍飛行学校での連絡機として使用されました。

結論

フェアチャイルド 24は、その堅牢な設計と多用途性により、いくつもの国で長年にわたり活躍してきた航空機です。戦後も小型チャーター航空会社や個人オーナーに取引され、世界中でその名を見かけることができました。フィンランド、イスラエル、カナダ、オーストラリアなどの国々でも軍用として姿を見せており、その信頼性の高さが際立っています。

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