フェアリー シーフォックス

フェアリー シーフォックス (Fairey Seafox)

フェアリー シーフォックスは、イギリス空軍によって採用された単発複葉の水上偵察機で、その役割は主に巡洋艦に搭載される艦載機としてのものでした。1936年に初飛行が行われ、その後1960年代の中頃まで運用されました。この機体は「艦隊の目」としての重要な役割を担い、運用していた艦からの情報収集や指示を行うために設計されています。

概要

シーフォックスは、ホーカー オスプレイの後継機として開発されました。初飛行は1936年の5月27日であり、複座型のフロート式水上機として設計されています。偵察員席は密閉式コックピットであり、翼は艦内での収納を考慮して後方に折りたたむことができるデザインです。全金属製のモノコック構造を持ちながらも、翼面と尾部は羽布張りの複葉機という独特な構造です。この設計はカタパルト射出に耐える頑強さを持ち合わせていました。

1937年から部隊への配備が始まり、1938年までには合計64機が生産され、各部隊に配属されました。この機体のほとんどは水上型でしたが、試作機が2機製造されていました。第二次世界大戦が始まると、主要な巡洋艦にはシーフォックスが搭載され、偵察や砲撃の指示などで活躍しました。特に1939年のアドミラル・グラーフ・シュペー追撃戦では、その能力が特筆されています。イギリスの巡洋艦からの発進後、この機体は艦の砲撃位置を正確に指示し、グラーフ・シュペー自沈の確認連絡を行ったのもシーフォックスでした。

しかし、時間が経つにつれて艦載水上機はその出番が減少し、1943年には運用が終了しました。

スペック

• - 全長: 10.82 m
• - 全幅: 12.2 m
• - 全高: 3.68 m
• - 全備重量: 2,455 kg
• - エンジン: ネピア レイピア6 液冷 395 hp × 1
• - 最大速度: 200 km/h
• - 実用上限高度: 3,560 m
• - 航続距離: 710 km
• - 武装: 7.7mm機銃 × 1、爆弾少量搭載能
• - 乗員: 2名

登場作品

シーフォックスは、人気ゲーム『艦隊これくしょん～艦これ～』において、スウェーデン軍仕様の「Fairey Seafox改」として登場しています。

出典

• - 木村秀政『万有ガイド・シリーズ 4⃣ 航空機 第二次大戦 Ⅰ』
• - その他関連資料

関連項目

• - 偵察機・哨戒機の一覧

フェアリー シーフォックスは、その独特なデザインと能力から、航空機史において重要な役割を果たした機体であり、軍事だけでなく多くの作品にも影響を与えました。

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