フェア島

フェア島：自然と伝統が息づく北の孤島

フェア島は、スコットランドのシェトランド諸島に属する、南北4.8km、東西2.4kmほどの小さな島です。オークニー諸島とシェトランド諸島の間に位置し、メインランド島のサンバラ岬から南西に約40km離れています。

地理と暮らし

島の南半分には、クロフツと呼ばれる小さな農地が広がり、島民のほとんどがここに暮らしています。一方、北半分は岩がちな荒地が広がっています。西岸には、高さ200メートルを超える断崖絶壁が連なり、厳しい自然の景観を作り出しています。

かつては400人ほどの人口がありましたが、現在は70人ほどに減少しています。島にはパブやレストランはありませんが、小学校が1校あります。11歳になると、子供たちはシェトランド諸島の州都ラーウィックにある学校へ進学するため、島を離れなければなりません。

歴史

フェア島には、鉄器時代から人々が定住していました。島自体には資源が乏しいものの、周辺海域は豊かな漁場に恵まれていたため、人々はここで生活を営んできました。1588年には、無敵艦隊の旗艦エル・グラン・グリフォンが島で難破し、乗組員300名が6週間も島民と生活を共にしました。船の残骸は1970年に発見されています。

1954年には、野鳥保護所の設立者ジョージ・ウォーターソンからナショナル・トラスト・フォー・スコットランドが島を買い上げました。

自然

フェア島は、渡り鳥の重要な中継地であり、野鳥保護区に指定されています。多くの希少な野鳥が観察でき、特にスズメ目セキレイ科やマキノセンニュウ、スズメ目ウグイス科の鳥類はバードウォッチャーに人気です。

文化と産業

フェア島は、独特の幾何学模様が特徴的なニット「フェアアイル」の産地として世界的に知られています。フェアアイルの手編みは、島の女性たちにとって重要な収入源となっています。一方、島の男性の主な仕事は農業です。

環境への取り組み

フェア島は、環境に配慮した持続可能な島づくりにも取り組んでいます。1982年以降、島の電力の3分の2は風力発電でまかなわれており、残りはディーゼル発電で補っています。2004年には、「フェアトレードの町」の地位を与えられました。

交通

フェア島へのアクセスは、空路または海路に限られます。

フェア・アイル空港: ラーウィックとの間に定期便が運航しています。
フェリー: シェトランド諸島の他の島々との間を結ぶフェリーが利用できます。

フェア島は、手つかずの自然と伝統文化が残る魅力的な島です。バードウォッチングやハイキング、フェアアイルニットのショッピングなど、様々な楽しみ方ができます。都会の喧騒を離れ、静かな島で過ごしてみてはいかがでしょうか。

外部リンク

Fair Isle community website
Fair Isle bird observatory
Fair Isle Electricity Company Ltd
Details of its airport
Photographic tour of the island
Examples of Fair Isle Knitting

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