フェイク (Mr.Childrenの曲)

フェイク - Mr.Children

『フェイク』は、日本の人気バンドMr.Childrenによって2007年1月24日にリリースされた30枚目のシングルです。このシングルはトイズファクトリーから発売され、通常盤のみの1形態で、限定生産が行われており、40万枚の生産数で現在は廃盤となっています。Mr.Childrenにとって、限定生産はライブアルバム『1/42|1_42』以来のことでした。また、前作の『しるし』からわずか2か月という短い期間でのリリースであり、11thシングル『花 -Mémento-Mori-』以来、実に19作ぶりとなる一曲のみ収録の500円シングルとなっています。

ジャケットデザインは、女性が大きく口を開けて舌を出している様子を捉えたもので、タイトル「フェイク」の「ェ」だけがゴシック体で表示され、その他は明朝体となっています。裏側は反転した文字が並び、女性の口が偽物（フェイク）であることを象徴しています。このアートディレクションは丹下紘希によるものです。

チャート成績

『フェイク』は、オリコンシングルチャートにおいて5thシングル『innocent world』から26作連続で初登場1位を獲得しました。この記録により、シングルの1位獲得数は松田聖子を抜いて歴代3位となりました。限定生産シングルが1位に輝いたのは、約1年前に遡る倖田來未の『feel』以来の快挙です。初週売上は28.1万枚を記録し、累計売上は32.1万枚となりました。

収録曲

フェイク

この楽曲は、東宝映画『どろろ』の主題歌として書き下ろされたものです。作詞を手掛けた桜井和寿は、映画の主人公が「本物」を探す旅をするというテーマを基に、自らの疑問を表現しています。「本物って何か？」という問いかけを通じて、私たちが生活の中で直面する様々な嘘や矛盾を理解し、受け入れることの重要性を曲に込めました。これにより、曲の深いメッセージが生まれたのです。

元々、桜井はもっとネガティブな要素を歌詞に含めることを計画していましたが、映画会社からの「ポジティブな内容に」という要望を受けて、歌詞を改訂しました。曲のイントロ部分のギターフレーズは、桜井がトラックのミュートをオン・オフしたというユニークな結果から生まれました。また、この楽曲は、桜井が幼少期から親しんできた山形県の自然の中でデモテープが作成され、全体の構成はデモ段階で完成していました。

楽曲の最後には、約30秒の無音の後にシークレットトラックとして約4分のインストゥルメンタルが収録されていて、これはMr.Childrenの作品としては初の試みです。ただし、配信版ではこの部分は削除されています。

『フェイク』は、the pillowsとのZeppツアーでも披露されましたが、その際はタイトルが公開されないままでの初演となりました。その後、ミュージックビデオが制作され、こちらは桜井一人だけの映像だった前作『しるし』とは対照的に、メンバー全員が出演し、多くのカットが含まれています。また、映画公開中には『どろろ』バージョンのビデオも流され、監督も丹下紘希が務めました。

この楽曲は、後にいくつかのアルバムにも収録されており、Mr.Childrenの代表的な作品の一つとして位置づけられています。

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