フェデリコ・カパッソ

フェデリコ・カパッソ：量子カスケードレーザー開発のパイオニア

フェデリコ・カパッソ (Federico Capasso) は、1949年イタリア・ローマに生まれ、現代物理学、特に光学技術分野において多大な貢献を果たした世界的に著名な物理学者です。現在は、アメリカ合衆国を拠点にハーバード大学応用物理学科の教授として活躍しています。

カパッソ博士のキャリアは、1973年にローマ・ラ・サピエンツァ大学で物理学の博士号を取得したことから始まります。その後、イタリアのボルドーニ財団で光ファイバーの研究に携わった後、1976年にアメリカ合衆国へ渡り、名高いベル研究所へと移籍しました。そして2003年からは、現在のハーバード大学教授の職に就いています。

彼の研究は多岐に渡りますが、中でも最も大きな功績は、量子カスケードレーザーの開発です。この革新的なレーザーは、従来のレーザー技術にはない高い性能と多様な応用可能性を秘めており、現代の光学技術、そして科学技術全般に大きな影響を与えています。量子カスケードレーザーは、赤外線領域での精密な計測や医療機器、環境モニタリングなど幅広い分野で活用されており、私たちの生活を支える重要な技術となっています。

カパッソ博士の卓越した研究成果は、数々の権威ある賞によって認められています。その受賞歴には、IEEEデイヴィッド・サーノフ賞 (1991年)、ニューカム・クリーブランド賞 (1994年)、ウィリス・ラム賞 (2000年)、R・W・ウッド賞 (2001年)、アーサー・L・ショーロー賞 (2004年)、エジソンメダル (2004年)、キング・ファイサル国際賞 (2005年)、ユリウス・シュプリンガー応用物理学賞 (2010年)、フンボルト賞 (2013年)、国際光工学会ゴールドメダル (2013年)、ランフォード賞 (2015年)、バルザン賞 (2016年)、マテウチ・メダル (2019年)、フレデリック・アイヴズメダル (2021年)、そして2023年のクラリベイト引用栄誉賞など、枚挙に暇がありません。これらの賞は、彼が現代物理学の発展にどれほど貢献してきたかを如実に示しています。

カパッソ博士率いるハーバード大学のカパッソ・グループ（the Capasso Group）は、現在も最先端の光学技術の研究開発において重要な役割を担っており、将来の科学技術革新に繋がる多くの成果が期待されています。彼の研究は、量子物理学の基礎研究から、私たちの日常生活に直結する応用技術まで、幅広い範囲をカバーしており、真の科学の進歩に貢献する稀有な研究者と言えるでしょう。彼の今後の研究活動からも目が離せません。

もう一度検索