フェニックス通り (大阪府堺市)

大阪の主要道路、フェニックス通り

フェニックス通りは、大阪府堺市堺区の中心市街地を東西に横断する、全長約2kmの幹線道路です。別名「宿院通り」とも呼ばれ、その歴史と景観から「日本の道100選」にも選ばれています。

概要

この通りは、大浜北町交差点から一条通交差点までを結び、幅員50mの広々とした道路です。安井町交差点以西は国道26号、以東は国道310号の一部を構成し、全線に渡って大阪府道2号大阪中央環状線の一部とも重複しています。

旧堺市街は土居川、内川、旭川といった環濠に囲まれていましたが、フェニックス通りは、そのやや南側を東西に横断しています。安井町交差点では、阪神高速15号堺線堺出入口と接続しており、交通の要衝となっています。さらに、西へ進むと阪神高速4号湾岸線大浜出入口へ、東へ進むと大仙陵古墳（仁徳天皇陵）へとアクセスできます。

道路の中央分離帯には125本のフェニックスが植えられ、その美しい景観が「フェニックス通り」の愛称の由来となりました。1日の交通量は約5万8000台に達し、堺市の東西を結ぶ大動脈として重要な役割を担っています。

この通りは、1986年に「日本の道100選」に選ばれたほか、1994年には「新・日本街路樹100景」にも選定され、その美しさが広く認められています。

歴史

フェニックス通りの前身は、幅の狭い道路でした。かつては、宿院頓宮に突き当たる形で東西に分断されており、現在のように通り抜けることはできませんでした。1912年に阪堺電気軌道大浜支線が敷設された際に一部が拡幅されましたが、本格的な拡幅は第二次世界大戦後に行われました。

堺市は、1945年の堺大空襲で壊滅的な被害を受けましたが、戦後の復興事業として、宿院通りを幅50mの大通りに拡幅する計画が立てられました。工事は1946年に始まり、1959年に全線が開通しました。この拡幅は、当時としては非常に画期的なものでした。

1955年頃には旭川が埋め立てられ、旭川に架かっていた御蔭橋が撤去されました。

また、フェニックスの植樹は、戦後の堺市民に希望を与えるため、1956年に堺ロータリークラブが寄贈した126本の苗木から始まりました。植樹を記念して、詩人・安西冬衛の詩が刻まれた記念碑が建てられています。このフェニックスの成長とともに、「フェニックス通り」の愛称が定着しました。

戦災復興都市計画では、防火対策も考慮して拡幅が行われましたが、南北幹線の大道筋とは対照的に、フェニックス通りはその後も交通量が増加し続けました。1970年には、大阪中央環状線の整備に伴い、終点に跨道橋が設置され、阪神高速15号堺線も開通しました。これにより、安井町交差点は交通の要衝となり、都市の発展に大きく貢献しました。なお、土居川の東部分も1970年までに埋め立てられ、東住吉橋が撤去されています。

1989年には、堺市制100周年を記念して、フェニックス通りの愛称が正式に堺市から与えられました。

接続する主な道路

大阪府道195号堺港線（大浜北町交差点）
大阪府道34号堺狭山線（大浜北町交差点）
大阪府道204号堺阪南線（大浜北町交差点）
大阪府道197号深井畑山宿院線（大道筋）（宿院交差点）
阪神高速15号堺線（安井町交差点）
大阪府道30号大阪和泉泉南線（一条通交差点）

周辺の名所

旧堺燈台
大浜公園、蘇鉄山
さかい利晶の杜
千利休屋敷跡
宿院頓宮
土居川公園 - かつては花時計がありましたが、現在は堺市章が設置されています。

フェニックス通りは、堺市の歴史と発展を象徴する重要な道路であり、市民の生活に欠かせない存在です。

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