フェラーリ・275

フェラーリ・275の魅力

イタリアの巨星フェラーリが手がけた574GTシリーズは、従来のレースベースのアプローチから一新し、快適なロードカーとして設計されました。そのため、この車両は遮音性や断熱性に優れ、ドライバーと乗客に快適な走行体験を提供しています。197個の生産台数は約950台と推定されています。

275GTB/GTSの特徴

このモデルは1964年のパリ・サロンで初公開され、多彩なバリエーションを持っています。275GTB/6Cや275GTB/Cといった異なる仕様がある上、顧客の要望に応じて特注が可能でした。ボディデザインはロングノーズ・ショートデッキスタイルで、全長4,325mm、全幅1,725mm、全高1,245mmを誇りますが、製造は手作りのため個体ごとに細部が異なっています。

エンジンとトランスミッション

275GTBの心臓部はジョアッキーノ・コロンボ設計の60度V型12気筒エンジン「ティーポ213」で、排気量は3,285cc。最大出力は280PSで、最高速度は約250km/hとされています。特に、従来モデルから電動ファンを採用することで冷却性能を向上させています。また、初めて5速MTを搭載し、デファレンシャルギアとの一体設計が施されています。これにより、ハンドリングは絶賛され、よりスムーズな運転が可能となりました。

ボディデザインとサスペンション

ボディデザインは著名なピニンファリーナが手がけ、275GTBのボディはスカリエッティによって製造されています。車体はアルミニウムとスチールを併用しており、特にボンネットとトランクリッドにはアルミが使用されています。サスペンションは、フェラーリ初の4輪独立懸架システムを採用し、ダブルウィッシュボーンの形式により優れた走行性能を持っています。

ブレーキとホイール

ブレーキはダンロップ製キャリパーとソリッドディスクを装備し、真空倍力装置によるアシストを採用していますが、初期モデルはディスクが小さく制動力に課題がありました。ホイールはカンパニョーロ製のマグネシウム合金で、サイズは前期型が6.5L×14in、後期型が7L×14inと、センターロック方式を採用しています。

インテリアと1700年代のイタリアな雰囲気

インテリアにおいては、ウッドハンドルと華麗なウッドパネルが特徴で、1960年代イタリアンスポーツカーの典型的なスタイルを反映しています。ドライビングシステムはZF製で、まだラック・アンド・ピニオンは搭載されていません。

特殊モデルの紹介

275GTBシリーズには、275GTB/6Cや275GTB/C、275GTB/4が存在します。これらはサーキットでも評価され、特に275GTB/Cは1965年のル・マンでGTクラス勝利を飾っています。275GTB/4はさらに進化し、4カムエンジンを搭載したことで出力と効率が向上。生産数は約350台となっており、ロードカーの歴史に名を刻みました。

結論

フェラーリ・275は、その設計理念や性能、デザインの美しさから、単なる自動車を超えた芸術作品とも言える存在です。この名車の影響は現在に至るまで続いており、クラシックカーとしての評価も高いのです。

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