ピニンファリーナ

ピニンファリーナ：イタリアが生んだデザインの巨匠

ピニンファリーナ社は、1930年、バッティスタ・ファリーナ（後にピニンファリーナと改名）によってイタリア・トリノに設立された、世界的に名高いデザイン会社です。創業以来、自動車デザインを中心に、多様な分野にわたり卓越したデザインを提供し続けてきました。現在もトリノを拠点とし、創業者の孫であるパオロ・ピニンファリーナがCEOを務めています。

自動車デザインにおける卓越性

ピニンファリーナ社は、フェラーリ、マセラティ、アルファロメオといった数々の名車を生み出したことで知られています。洗練されたデザインと卓越した技術力は、世界中の自動車メーカーから高く評価されており、数多くの自動車のデザイン、エンジニアリング、そして小規模ながらも自社生産工場による委託生産を手掛けてきました。特に、既存車のデザインを活かしながら、カブリオレやタルガトップなどのオープンモデルにリデザインする技術には定評があります。

多様な分野への展開

ピニンファリーナ社のデザインの才能は、自動車のみに留まりません。その活動領域は、船舶、電車、トラック、バス、トラクター、バイクといった乗り物から、オフィスチェア、プロジェクター、スピーカー、エスプレッソマシン、ゴルフクラブ、電話機、サングラス、時計、靴、歯ブラシ、ジャクージ、さらにはPC周辺機器に至るまで、多岐に渡ります。デザインに対する独自の哲学と、高い技術力を背景に、様々な製品のデザインを手がけてきました。

スポーツイベントへの貢献

2006年トリノ冬季オリンピックでは、聖火台とトーチのデザイン、そして12,000本ものトーチの製造、さらにカウントダウンクロックのデザインなども担当するなど、大規模なイベントのデザインにも携わりました。このことは、ピニンファリーナ社のデザイン力が、単なる製品デザインにとどまらず、社会全体に貢献できるレベルに達していることを示しています。

近年の動向

近年では、創業期のように富裕層向けのプライベートワンオフカーの製作にも力を入れています。フェラーリP4/5やフェラーリ612 Kappaといった、特別な一台を顧客のために製作することで、高いデザイン力と技術力を改めて世界に示しています。

2015年には、インドのマヒンドラグループ傘下となりましたが、会社の独立性は維持されており、今後も独自のブランドとして、その活動を続けていくものと期待されています。

日本メーカーとの関わり

ピニンファリーナ社は、日本メーカーとも長年に渡り協力関係を築いてきました。特に日産[[自動車]]、ホンダ、三菱自動車とは深い繋がりがあり、数々の共同開発やデザイン委託が行われました。日産[[自動車]]のブルーバードやセドリックのデザインに関わったこと、ホンダのNSX開発における貢献、そして三菱自動車のパジェロ・ピニンやコルトCZCの開発などは、その代表的な事例です。

まとめ

ピニンファリーナ社は、自動車デザインを中心に、多様な分野で優れたデザインを提供してきた、イタリアを代表するデザイン会社です。その高いデザイン力と技術力は、世界中の企業から高く評価され、これからも様々な分野で活躍を続けることでしょう。 創業者から現在に至るまで、ピニンファリーナという名には、常に革新とエレガンスが宿っています。 その歴史と伝統は、これからも世界中のデザイン界を牽引し続けるでしょう。

もう一度検索