フェラーリ・F8トリブート

フェラーリF8トリブート：V8ターボエンジンの頂点

フェラーリが2019年に発表したF8トリブートは、488GTBの後継モデルとして登場したミドシップV8ターボエンジン搭載のスポーツカーです。458イタリアのデビューから10年、フェラーリ最後のピュアV8ツインターボモデルとして、高い注目を集めました。

圧倒的なパフォーマンス

F8トリブートのパワートレインは、488ピスタ譲りの3.9L V8ツインターボエンジンを搭載。最高出力は720psと、V8エンジンとしてはフェラーリ史上最高を誇ります。その圧倒的なパワーにより、0-100km/h加速はわずか2.9秒、0-200km/h加速は7.8秒、最高速度は340km/hに達します。

F40へのオマージュと現代的なデザイン

デザインはフェラーリ・スタイリング・センターが担当。F40を現代的にアレンジしたデザインは、特徴的なルーバーを持つレキサン製のリアウインドウが象徴的です。丸型4灯式のテールランプは、GTC4ルッソや812スーパーファストに続くデザインとして採用されています。

リコールと信頼性

2022年10月には、ブレーキに不具合の可能性があるとして、日本国内でリコールが行われました。これは、フェラーリの高い品質と信頼性を保つための重要な措置と言えます。

オープンモデル：F8スパイダー

2019年9月には、F8トリブートのオープンモデルであるF8スパイダーが発表されました。14秒で開閉可能なハードトップを採用し、走行中（45km/h以下）でも開閉が可能です。パワートレインはF8トリブートと共通ですが、乾燥重量が70kg増加しているため、0-200km/h加速は8.2秒と、クーペモデルよりやや劣ります。

ワンオフモデル：SP48 ウニカ

2022年5月には、ワンオフモデルとしてSP48 ウニカが発表されました。F8トリブートをベースに、唯一無二のモデルとして製作されました。「ウニカ (Unica)」とはイタリア語で「唯一」を意味します。パワートレインはF8トリブートと共通で、最高出力720ps、最高速度340km/hのパフォーマンスを実現しています。

もう一つのワンオフモデル：SP-8

2023年10月には、F8スパイダーをベースとしたもう一つのワンオフモデル、SP-8が発表されました。台湾の顧客からのオーダーで、フェラーリ・スタイリング・センターのフラヴィオ・マンゾーニがデザインを担当。ローマのライトをモチーフにした専用のテールライトが特徴です。ハードトップは装備されておらず、完全なオープンモデルとなっています。車名の「8」は、台湾で縁起の良い数字とされることに由来します。SP-8は、発表後、ムジェロ・サーキットやフェラーリ博物館に展示されました。

まとめ

F8トリブートとその派生モデルは、フェラーリが誇るV8エンジンの技術力の高さ、そしてデザインへのこだわりを凝縮したモデル群です。高いパフォーマンスと、美しいデザインは、多くのフェラーリファンを魅了し続けています。それぞれのモデルが持つ個性、そしてワンオフモデルの希少性も、F8トリブートシリーズの魅力をさらに高めています。将来的なコレクターズアイテムとしての価値も期待できます。

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