フェリックス・シュタイナー

フェリックス・マルティン・ユリウス・シュタイナー

フェリックス・マルティン・ユリウス・シュタイナー（1896年5月23日 - 1966年5月12日）は、ドイツの陸軍軍人であり、後には親衛隊大将としても知られています。彼は東プロイセンのシュタルペーネンに生まれ、1914年に陸軍に志願し、第一次世界大戦において重要な役割を果たしました。

軍歴の始まり

シュタイナーはティルジットの歩兵第41連隊に士官候補生として配属後、すぐに第一次世界大戦に参加しました。戦闘中に重傷を負って帰還した後、1915年に少尉に昇進し、1918年まで続く戦闘での経験を積みました。戦後は義勇軍に加入し、1933年にはナチ党に入党し、突撃隊に加わりながら教育部長を務めました。

親衛隊での昇進

1935年に親衛隊に転籍したシュタイナーは、1936年に「ドイチュラント」連隊の指揮官に任命されました。彼はその後も武装親衛隊の発展に寄与し、軍事的な戦術教育に取り組みました。第二次世界大戦が始まると、シュタイナーはポーランド侵攻や西方電撃戦での成功を収め、1940年には騎士鉄十字章を受章し、親衛隊少将に昇進しました。

戦功と戦争の影響

独ソ戦においては、第5SS装甲師団「ヴィーキング」を指揮し、数々の戦果を挙げました。シュタイナーの活躍によって彼は1942年に親衛隊中将に昇進し、1943年には第3SS装甲軍団司令官としてパルチザン戦に従事しました。しかし、1944年に健康を害し、同年秋に司令官職を辞任せざるを得なくなりました。

ベルリンでの命令不服従

1945年、シュタイナーはベルリン北方を防衛する役割を担ったものの、続く逆風の中でソ連軍が迫る様子を見つめていました。ヒトラーからの攻撃命令を受けた際、彼は軍集団の戦力不足を理由にその命令を果たすことができず、最終的に指揮官を解任されました。戦後、彼はアメリカ軍に捕虜となり、ニュルンベルク裁判で戦争犯罪に問われました。1948年に釈放された後は著作活動に専念しました。

戦後の著作と主張

シュタイナーは『嫌われ者の軍隊』『義勇兵』などの著作を通じて、武装親衛隊はナチ党や親衛隊とは異なる独立した軍事組織であったと主張しました。彼は戦争犯罪に対して自身の役割を否定し、武装親衛隊が過去の政治的罪責から自由であると強調しましたが、一方ではナチズムと密接に結びついていた現実からは逃れられない一面もありました。彼は元武装親衛隊員の名誉回復のためにも活動し、後の社会的議論において重要な存在となりました。

まとめ

1966年に死去したシュタイナーは、第一次世界大戦から第二次世界大戦、そして戦後まで波乱に満ちた生涯を経て、戦争の教訓を著作に記しました。彼の業績や思想は、今もなお軍事史や戦争に関する議論の中で引き合いに出されることがあります。

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