フェリックス・ペルドモ

フェリックス・エンリケ・ペルドモ・バルデス：広島カープの二刀流外国人選手

フェリックス・エンリケ・ペルドモ・バルデス（1973年7月24日生まれ）は、ドミニカ共和国出身の元プロ野球選手です。内野手として1992年に広島東洋カープに入団した後、投手として転向し、独特の野球人生を歩みました。台湾でもプレー経験があり、登録名は「飛力」でした。

広島カープでの活躍：内野手から投手へ

ペルドモは、アリロ・パウリノ高からカープアカデミーを経て広島東洋カープに入団しました。しかし、1年で退団し、1995年には台湾の時報イーグルスでプレー。1996年に広島へ復帰すると、当初は内野手として期待されました。打撃面では目立った活躍はありませんでしたが、俊足を活かした堅実な守備で二遊間を守りました。

しかし、ペルドモの才能が開花したのは投手転向後です。1997年に投手へ転向すると、最速146km/hの速球とスライダー、フォークボールを武器に中継ぎ投手として活躍しました。その活躍ぶりは、外国人枠をめぐる問題にまで発展します。

二刀流と外国人枠問題

1999年には内野手登録のまま投手としてもプレーする二刀流に挑戦しました。打席に立ち、そのままマウンドに上がるという異色のスタイルで、当時外国人投手は2名までという規定を事実上3名にするという状況を生み出しました。これは「ルール上は問題ない」とされたものの、1試合に3人の外国人投手が登板する事態も発生し、物議を醸しました。

この年、ペルドモは内野手として初本塁打を記録するなど、打撃面でもわずかながら結果を残しました。しかし、外国人枠の都合や、チームにおける役割の大きさなどを考慮すると、ややスケールが小さかったと見なされ、1999年シーズン終了後に自由契約となりました。

日本語堪能でチームに貢献

ペルドモは日本語が堪能で知られており、「それ、どういう意味ー？」といった独特の表現でインタビューにも答えていたと伝えられています。チームには新しいドミニカ共和国出身の選手が加入すると、通訳や世話役を務めるなど、チームに貢献しました。

記録

NPB打撃記録
初出場：1996年6月30日
初先発出場：1996年7月9日
初安打：1996年7月9日
初本塁打・初打点：1999年4月15日
NPB投手記録
初登板：1997年4月15日
初奪三振：1997年4月15日
* 初勝利：1997年4月19日

ペルドモは、決してスター選手ではありませんでしたが、そのユニークな経歴と持ち前の明るさで、広島カープの歴史に名を刻む存在となりました。内野手から投手への転向、二刀流、そして外国人枠問題に関わる活躍など、彼のキャリアは、多くのカープファンに記憶されていることでしょう。 彼の活躍は、プロ野球界における外国人選手の役割や、チーム内での多様な才能の活かし方について、改めて考える機会を与えてくれます。

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