フェリブリッジの戦い

フェリブリッジの戦い：薔薇戦争前哨戦、奇襲と追撃の激戦

フェリブリッジの戦いは、1461年3月28日に勃発した薔薇戦争における局地戦です。ヨーク派のエドワード4世が王位を宣言し、北進する中で、フェリブリッジを流れるエア川を巡り、ヨーク派とランカスター派が衝突しました。

戦いの経緯

ヨーク派を率いるウォリック伯は、エア川に急造の橋を架けて渡河を試みました。しかし、ランカスター派のゲリラ部隊からの激しい弓矢の攻撃と、凍えるような川の冷たさにより、多くの兵を失いました。辛うじて渡河に成功したものの、ウォリック伯は川の北岸に野営地を設置し、橋の修復を命じました。

翌早朝、ランカスター派はクリフォード卿とネヴィル卿の指揮の下、ヨーク派の野営地へ奇襲攻撃を仕掛けました。不意を突かれたヨーク派は大混乱に陥り、ウォリック伯の副官フィッツウォルーター卿は致命傷を負い、ウォリック伯の異母兄弟である「ソールズベリーの庶子」も戦死。ウォリック伯自身も退却中に足に矢を受けるという痛手を負いました。年代記編者ジャン・ド・ワーリンの記録によると、この戦いで約3,000人もの兵士が命を落としたとされています。

ヨーク派の反撃とクリフォード卿の戦死

その後、エドワード4世率いるヨーク派の本隊が到着し、ウォリック伯と共に戦場となった橋の惨状を目の当たりにしました。ウォリック伯は叔父のフォーコンバーグ卿に命じ、ヨーク派の装甲部隊を率いてエア川上流の浅瀬からランカスター派を追撃させました。フォーコンバーグ卿はクリフォード卿率いるランカスター派を主力軍が見える場所まで追い詰め、激しい戦闘の末にこれを打ち破りました。この戦いで、クリフォード卿は兜を脱いでいたところを喉を射抜かれ、戦死しました。

戦いの背景と影響

フェリブリッジの戦いは、その後のタウトンの戦いへと繋がる重要な前哨戦となりました。この戦いで両軍は互いの力を測り合い、タウトンの戦いでの勝利に向けて戦略を練り直しました。特に、ランカスター派のクリフォード卿の戦死は、ヨーク派にとって大きな痛手となりました。

フェリブリッジの戦いは、薔薇戦争の激しさと、その後のイングランドの歴史に与えた影響を物語る上で、重要な出来事として語り継がれています。

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