フェルナンド・コロール・デ・メロ

フェルナンド・コロール・デ・メロの生涯と政治の道

フェルナンド・コロール・デ・メロ（Fernando Collor de Mello）は、1949年8月12日にブラジルのリオデジャネイロで生まれた政治家であり、1990年から1992年までブラジルの第32代大統領を務めた。彼はまた、元空手チャンピオンでもあり、多彩な経歴を持つ人物である。

政治における初期のキャリア

コロールは1983年に連邦下院議員として政界に登場した。その後、1986年にはアラゴアス州知事選挙に出馬し、当選したことで州知事に就任する。彼の政治スタイルは、当時の職業政治家に対する批判を強調し、民主化後の新しい政治の風を呼び込むものであった。特に、1989年の大統領選挙では、労働党のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァとの接戦を勝ち抜くことで知られる。

大統領としての任期と政策

コロールは大統領に就任すると、前政権の政策を参考にしつつ、経済の自由化や開放政策を推進した。これによりブラジル経済のグローバル化を加速させ、その姿勢は毎日のメディアで注目を集めることとなった。彼のファッション・センスや挑発的な発言は、当時の社会に新たな刺激を与えた。一方で、この自由化政策は一部の市民にとっては格差を広げる結果となり、支持を失う要因ともなった。

不祥事と辞任

政治的な栄光の裏には、汚職疑惑が待っていた。1992年9月、彼は上院で弾劾裁判を受けることになり、180日間の職務停止を命じられた。その後、同年12月には彼の汚職疑惑に対する審議が行われ、その直後に辞任を余儀なくされた。辞任後、彼は8年間の公職追放処分を受けたが、これによって彼の政治生命は大きく損なわれた。

追放後の復活

8年の追放期間が終わると、彼は再び政界に挑戦する機会を得た。2002年にはアラゴアス州知事選挙に出馬したが、現職の知事に敗北してしまった。しかし、2006年には上院選挙で当選し政治の舞台に復帰。さらに、2014年の選挙でも再選を果たすことに成功した。このように、彼は厳しい境遇から再び政治家としての地位を築くことができた。

最新の出来事

しかし、彼の政治キャリアは順風満帆ではなかった。2015年8月、彼はペトロブラス社の子会社との契約を巡る汚職容疑で起訴され、約2600万レアルの収賄を行ったとされる。そして2023年5月31日、最高裁判所は彼に収賄とマネーロンダリングの罪で懲役8年10月の判決を下した。この判決は、彼の政治的キャリアにさらなる打撃を与えるものであり、彼が過去の栄光を取り戻すことは非常に困難な状況にあると言える。

結び

フェルナンド・コロール・デ・メロは、その大統領としての任期において多くの注目を集めた一方で、汚職やスキャンダルに悩まされるなど、波乱万丈の人生を送ってきた。彼の経歴は、ブラジルの政治史における重要な一章を形成しており、今後もその影響は続くであろう。

もう一度検索