ペトロブラス

ペトロブラス（Petrobras）

概要

ペトロブラスはブラジルの主な石油会社であり、正式名称はPetróleo Brasileiro S.A.です。国と民間の資本を持ち合わせた半官半民企業であり、リオデジャネイロに本社を構えています。1953年の設立以来、南半球最大の石油採掘会社であり、1日あたり200万バレル以上の石油を生産しています。今でもブラジルでは最大の石油事業者として位置づけられています。

同社は、アマゾンのウルクー油田での石油生産を目的に設立され、その後はラテンアメリカ最大の企業として成長を続けています。2008年度の売上高は1,183億ドルに達し、現在ではアフリカ、南北アメリカ、ヨーロッパ、アジアの18か国にわたって石油資源と精製施設を展開しています。さらに、ペトロブラスは深海での油田採掘技術を有しており、世界でも有数の規模の石油プラットフォームを運営しています。

歴史

ペトロブラスは、1953年にブラジルの当時の大統領ジェトゥリオ・ドルネレス・ヴァルガスの指導のもとに設立されました。設立の背景には「ブラジルで採掘される石油はブラジル人のもの」という考え方があり、国内の石油資源を国民全体の利益に供することを目指しました。成立から1997年までの間、ペトロブラスはブラジルにおける石油産業の独占を認められ、国内市場において圧倒的な地位を確保しました。

ペトロブラスは、ここ数十年の間に国際的な展開も進め、多くの国で石油資源を開発。特にボリビアでは、同国における石油資源の約46%を保持し、ボリビア経済に大きな影響を与えてきました。ボリビアの国有化政策により、ペトロブラスのボリビア法人はボリビア国内総生産の18%、直接投資の20%を占める重要な事業者となりました。

環境への取り組み

地球温暖化の懸念が高まる中、ペトロブラスはバイオエタノールの推進に積極的に取り組んでおり、再生可能エネルギーの拡大にも力を入れています。これは、将来にわたって持続可能なエネルギー供給を確保しようという企業の姿勢を反映しています。

株式と市場活動

ペトロブラスは、ブラジル政府が55.7%の議決権を保有しており、主にサンパウロ証券取引所で取引されています。ニューヨーク証券取引所にも外国預託証券の形で上場しており、ボベスパ指数に組み込まれています。2010年の増資は780億ドルに達し、過去最大の規模を誇りました。

スポンサー活動

ペトロブラスは、1998年から2008年までF1のウィリアムズチームの主要スポンサーとしての活動を行い、ブラジル人ドライバーを支援しました。後にいくつかのチームとの契約を結びましたが、経済的な理由やその他の要因により、F1から段階的に撤退する状況が続いています。

汚職問題

ペトロブラスは、国内外での汚職の問題に直面しています。2015年には、同社の元幹部が汚職で有罪判決を受け、同社の信頼性に深刻な影響を与えました。この問題は、日本企業にも波及し、日本の造船業界においても深刻な損失をもたらしました。

結論

ブラジルにおけるエネルギー産業の重要なプレイヤーとして、ペトロブラスは国内の経済に大きな影響を与えてきました。多様な国際展開や新たなエネルギー技術への挑戦を通じて、今後もその役割を果たし続けるでしょう。

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