フェンダー・ジャズベース

ジャズベース（JAZZ BASS）

ジャズベースは、1960年にフェンダー社から登場したエレクトリック・ベースの正式名称で、レオ・フェンダーが設計した2機種目のモデルです。プレシジョンベースと並び、フェンダー社を代表する楽器として知られ、その音色とデザインは多くのミュージシャンに愛され続けてきました。日本では「ジャズベ」という略称が一般的で、英語圏では「J-Bass」と呼ばれています。

歴史

開発の目的

ジャズベースは、先に発売されていたプレシジョンベースのサウンドを拡張し、多様な音楽ジャンルに合う楽器として開発されました。フロントとリアの2つのピックアップが特徴で、それにより音色のバリエーションが豊かになり、明るいトーンと豊かな中低域を生み出しています。

CBS買収後の変遷

1965年に米CBS社がフェンダーを買収し、その結果、ボディやネックの形状に変更が加えられました。特に、角張った形状の指板や新しいポジションマークのデザインが導入されました。また、1975年以降はジョイント部が3点止めのティルト機構に変更されるなど、仕様チェンジが行われましたが、1983年には元の仕様に戻ることとなります。

最新モデル

近年では、パッシブ回路だけでなくアクティブ回路を搭載したモデルも登場しています。2003年には「American-made Jazz Basses」が発売され、「S-1 Switch」によってピックアップ接続の切り替えが可能になりました。これにより、さらに多彩な音色が楽しめるようになっています。また、グリースバケットと呼ばれる新しいパッシブ・トーン回路も搭載され、利便性が向上しました。

構造

ボディ

ジャズベースのボディは、基本的にアルダー材で作られ、時にアッシュ材も使用されています。オフセット・ボディという形状は、ジャズマスターに影響を受けたもので、演奏者の体にフィットするデザインが特徴です。

ネック

ネックは基本的にメイプル材で構成され、使用時期によってローズウッドやメイプルの指板が使われています。1970年代中期から1983年にかけては、3点止めの構造が採用されていました。

ピックアップ

ジャズベースには能力の高いシングル・コイル・ピックアップが2つ搭載されています。これらのピックアップはハム・キャンセラー機能を持ち、音質をさらに向上させています。オリジナルデザインに比べ、現行モデルではこれらのカバーが省略されることが増えました。

コントローラー

初期型のジャズベースはボリュームとトーンのノブがそれぞれ2つありましたが、現在は3つのノブが搭載されており、より使いやすくなっています。

シグネチャー・モデル

フェンダーからは様々なアーティストのシグネチャー・モデルが展開されています。U2のアダム・クレイトンや、ジャコ・パストリアス、ラッシュのゲディー・リーなど、多くの著名アーティストが使用し、彼らのスタイルに欠かせない存在となっています。

ジャズベースはその独自のデザインや豊かな音色により、ジャンルを問わず多くのミュージシャンに支持され続けています。

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