フェーンチャン ぼくの恋人

フェーンチャン ぼくの恋人

『フェーンチャン ぼくの恋人』（原題：แฟนฉัน）は、タイの365フィルムグループが制作し、2003年に公開された映画です。タイの小さな町を舞台に、少年ジアップと少女ノイナーの幼い頃の友情と初恋、そして切ない別れを描いた作品で、タイ国内で大ヒットを記録しました。

あらすじ

バンコクで働くジアップは、幼なじみだったノイナーの結婚式の招待状を受け取ります。故郷へ向かう車中で、彼は子供の頃の思い出に浸り、ノイナーとの日々を回想します。

ジアップとノイナーは、隣り合った床屋を営む両親のもとで育ちました。夏休みが終わると、ジアップは毎朝寝坊してスクールバスに乗り遅れ、父親のバイクで追いかけるのが日課でした。バスの中では、乱暴なガキ大将ジャックをはじめとする仲間たちが、放課後の遊びの計画を立てています。男の子たちはチャンバラごっこ、女の子たちはままごと。ジアップは男の子たちの遊びに参加したいのですが、大通りを渡るのが怖くて女の子たちと遊ぶことに。それがきっかけで、ジャックたちからいじめられるようになります。

ある日、ジャックたちは近所のグループとサッカーの試合をすることになり、人手不足からジアップに助けを求めます。ジアップはサッカーの腕前を披露し、仲間入りを認められるための試練に挑むことになります。その試練とは、ノイナーがいつも遊んでいるゴム跳びのゴムを切ることでした。ジアップは苦渋の決断でそれを行い、ノイナーはジアップと口をきかなくなります。そんなある日、ジアップはノイナーが引っ越すことを知ります。しかし、当日も寝坊してしまい、ノイナーに別れを告げることができませんでした。ジャックたちの助けを借りて、ジアップはノイナーを乗せたトラックをバイクで追いかけますが、途中でバイクが故障し、見失ってしまいます。そして、ジアップはノイナーと会えないまま、彼女の結婚式を迎えることになったのです。

キャスト

ジアップ:
チャーリー・タライラット
チャイン・チットソムブーン（青年期）
ノイナー: フォーカス・ジーラグン
ジアップの父: ウォンサゴーン・ラッサミタット
ジアップの母: アヌサラー・ジャンタランシー
ノイナーの父: プリーチャー・チャナパイ
ノイナーの母: ニパーワン・タウィーポーンサワン
ジャック: チャルームポン・ティカマポーンティラウォン
プリック: タナー・ウィッチャヤースラナン

製作

監督は、チュラーロンコーン大学コミュニケーション・アート学部映画・写真学科の29期生である映画好きの6人組「365フィルム」。コムグリット・ドゥリーウィモン、ウィッタヤー・トーンユーヨン、ニティワット・タラトーン、ソンヨット・スックマークアナン、アディソーン・ドゥリーシリカセーム、ウイッチャー・ゴージウが監督を務めました。脚本は、ウィッタヤー・トーンユーヨンがウェブ上に発表した短編小説「初恋だと君に伝えたい」を元に、6人の監督全員で共同執筆されました。

受賞

2003年タイ・スパンナホン賞：監督賞、助演男優賞
2003年バンコク映画批評家協会賞：助演男優賞
* 2003年スター・エンタテインメント・アワード：作品賞、監督賞、助演男優賞、脚本賞、撮影賞、編集賞、録音賞

その他

ノイナーの父親役を演じたプリーチャー・チャナパイは、タイの国民的フォークロックバンド「カラバオ」のレック・カラバオとしても知られています。

『フェーンチャン ぼくの恋人』は、子供の頃の無邪気な友情や初恋の思い出を鮮やかに描き出し、観る人の心を温かくする作品です。タイの美しい風景や音楽も魅力の一つで、ノスタルジックな気分に浸りたい時におすすめの映画です。

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