フエンカラル＝エル・パルド

フエンカラル＝エル・パルドは、スペインの首都マドリードに位置する行政区の一つです。マドリードの最北端に位置し、市内で最大の面積を誇りますが、人口密度は比較的低い地域です。2008年の調査では、約22万人の住民がこの地域で生活していました。

地理

フエンカラル＝エル・パルドの大きな特徴は、その広大な面積と自然環境です。区内には、地中海性森林の保護区であるモンテ・デ・エル・パルドが含まれており、都市化されたエリアは区全体の50%未満に過ぎません。この豊かな自然が、都市部に近いながらも落ち着いた環境を保っています。

フエンカラル＝エル・パルドは、周辺のラス・ロサス・デ・マドリード、トレロドネス、コルメナール・ビエホ、トレス・カントス、サン・セバスティアン・デ・ロス・レイエス、アルコベンダスといったムニシピオと隣接しています。また、マドリード市内のオルタレサ、テトゥアン、チャマルティン、モンクロア＝アラバカといった行政区とも境界を接しています。

区は以下の8つの地区で構成されています。

エル・パルド
フエンテラレイナ
ペニャグランデ
ピラル
ラ・パス
バルベルデ
ミラシエラ
エル・ゴロソ

これらの地区はそれぞれ異なる特徴を持ち、フエンカラル＝エル・パルド全体の多様性を形作っています。

歴史

フエンカラル＝エル・パルドの歴史は、旧フエンカラル村とエル・パルドという二つの地域の統合に遡ります。エル・パルドは、かつてスペイン王家の所領であり、歴史的に重要な場所でした。1949年、これら二つの地域がマドリードに編入され、1970年にフエンカラル＝エル・パルド区として正式に成立しました。1950年代以降は、エル・パルドとバルベルデを結ぶ地域を中心に都市化が進み、現在の都市構造が形成されました。

エル・パルドには、スペイン王室の私的な住居であるサルスエラ宮殿があります。フアン・カルロス1世をはじめとする王室のメンバーが、この宮殿を住まいとして使用しています。

教育

教育機関としては、エル・ゴロソ地区にマドリード自治州立大学と、カトリック系のポンティフィシア・コミリャス大学のカントブランコ・キャンパスが位置しています。これらの大学は、多くの学生にとって重要な教育の場となっています。また、マドリード自治州大学付属ラ・パス病院もこの地域にあり、医療の中心としての役割も担っています。

交通

フエンカラル＝エル・パルドは、マドリードの公共交通機関のネットワークに組み込まれており、市内各地へのアクセスが容易です。セルカニアス マドリード（近郊鉄道）のC-4、C-7、C-8、C-10系統が利用でき、ラモン・イ・カハル駅、ピティス駅、フエンカラル駅、カントブランコ・ウニベルシダー駅、ゴロソ駅などの駅があります。また、マドリード地下鉄の7号線、9号線、10号線も区内を走っており、広範囲な移動をサポートしています。

もう一度検索