フォボス (ヴァンパイア)

フォボス (Phobos)

『ヴァンパイア』シリーズに登場する、異質な存在感を放つキャラクター、フォボスについて解説します。

キャラクター設定

フォボスは、遮光器土偶をモチーフとした頭部を持つ、全身金色のロボットです。その外見は非常に特徴的で、肩部の巨大な球体やミトンのような形状の手など、異質な雰囲気を醸し出しています。体表の装甲は、フォボスの動きに合わせて自在に変形し、その戦闘スタイルを支えます。ロボットであるため、自己主張はほとんどなく、プログラムに従って行動する機械的なキャラクターとして描かれています。勝利後の台詞も特徴的で、平仮名を片仮名に変換した独特の文体で話します。

シリーズを通して設定が変更されており、初期の作品と『ヴァンパイア ハンター』以降では、その背景が大きく異なります。

初代『ヴァンパイア』: 恐竜を絶滅させたキラーマシーンという設定で、異星人によって「地球上の全生物の抹殺」をプログラムされた機体として登場します。地殻変動で地中に眠っていましたが、パイロンの来襲をきっかけに起動し、再び活動を開始します。
『ヴァンパイア ハンター』以降: 古代マヤ人によって作られた究極の番人という設定に変更され、「中央アメリカを邪悪な者から守る」という使命を帯びています。パイロンの出現を感知し、テオティワカン遺跡から飛び立ちます。エンディングでは、自己修復後に待機状態となりますが、地球上の生命体がゼロになったことを感知すると、多くの同型機と共に宇宙へ飛び立ち、新たな主と敵を求めます。
『セイヴァー2』、『セイヴァー』: 遺跡に迷い込んだ古代マヤ人の血を引く少年セシルを守るために起動します。家庭用『セイヴァー』のエンディングでは、破壊された後も「少年を守る」という命令コードが持続し、他の同型機を起動させ、全ての生命体を保護対象と敵に区分けし始めます。

セシル

『セイヴァー2』と家庭用『セイヴァー』に登場する少年で、フォボスが守るべき存在として認識しています。戦火で家族と故郷を失い、遺跡に迷い込んだ際にフォボスに保護されます。戦闘中は背景で様々なアクションを見せ、フォボスがES必殺技を受ける際にはバリアで守られます。

ゲーム上の特徴

フォボスは、ロボットならではの攻撃方法が特徴で、体の一部を刃やドリルに変形させるなど、トリッキーで高威力の技を多く持ちます。ミサイルやレーザーといった飛び道具も駆使し、相手の接近を阻みます。空中浮遊能力も特徴的で、高い位置から相手をかく乱できます。

『ハンター』までは中ボスとして登場し、CPU専用キャラクターだったため、非常に高い性能を持っていました。特に初代『ヴァンパイア』では、その強さからノーコンティニュークリアが困難でした。『ハンター』でプレイヤーキャラクターとして使用可能になると、「即死コンボ」を持つ最強キャラクターとして名を馳せました。

『ハンター2』『セイヴァー2』では、性能が大幅に変更され、弱体化されましたが、代わりに新技「レイ・オブ・ドゥーム」を絡めた強力な連携が可能になりました。

技の解説

フォボスの技は、その特異な外見と設定を反映したものが多く、相手を圧倒する力強さを持っています。

プラズマビーム: 眉間から発射される氷結効果のあるビーム。相手を凍結させます。
マイトランチャー: 脚部を砲台に変形させて発射するミサイル。地面に沿って進み、爆発します。
ジェノサイドバルカン: 腕部を砲台に変形させて放つバルカン砲。連続ヒットします。
サーキットスクラッパー: 相手を掴んで真上に発射するコマンド投げ。追撃が可能です。
リフレクトウォール: ガードキャンセル専用技。バリアを張り、相手を弾き返します。
ファイナルガーディアンβ: 全身からガトリング砲を出し、一斉射撃するEX必殺技。圧倒的な破壊力です。
レイ・オブ・ドゥーム: 援護ガーディアンを呼び出すEX必殺技。フォボス自身も自由に動き回り、強力なラッシュを仕掛けられます。

その他

日本国外版では、フォボスは「Huitzil（ヒューチル）」という名前で呼ばれています。
『タツノコ VS. CAPCOM』では、ロールによってお手伝いロボットに改造され、ライト博士の研究所で働く姿が描かれています。

フォボスは、その独特な外見とトリッキーな技、そしてシリーズを通して変化する設定によって、『ヴァンパイア』シリーズに彩りを添える魅力的なキャラクターです。

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