フォルクスワーゲン・シャラン

フォルクスワーゲン シャラン：ミニバンの歴史

概要

シャランは、フォルクスワーゲンが1995年から2022年まで製造・販売していたミニバンです。欧州のMPV市場参入を目指し、フォードとの合弁事業として開発されました。スペインのセアト社も姉妹車アルハンブラを販売するなど、欧州市場で大きな成功を収めました。日本でも1997年から1999年にかけて初代モデルが輸入販売されました。2010年にはフルモデルチェンジを行い、2代目モデルが登場。パサートをベースとしたシャランは、より洗練されたデザインと先進的な技術を搭載し、日本市場でも2011年から販売が開始されました。2022年にポルトガルでの生産が終了し、フォルクスワーゲンはスライドドア式のミニバンをラインナップから外すこととなりました。


初代シャラン (1995-2010年)

フォルクスワーゲンとフォードの合弁事業として開発された初代シャランは、1995年に発売されました。ポルトガルの工場で製造され、セアト・アルハンブラという姉妹車も存在しました。2000年にはマイナーチェンジを実施、内外装のデザインを一新しました。日本市場においては、1997年から1999年にかけて輸入販売されました。


2代目シャラン (2010-2022年)

2010年、ジュネーブモーターショーで発表された2代目シャランは、15年ぶりのフルモデルチェンジモデルでした。パサートB7をベースに開発され、洗練されたデザインと先進の技術が搭載されました。日本市場では2011年から販売が開始されました。

2代目シャランは、発売後も継続的に改良が加えられました。2012年には燃費性能向上、駐車支援システム「Park Assist」、ドライバー疲労検知システム「Fatigue Detection System」の追加など、安全性能と利便性の向上が図られました。2013年には高級感を高めた限定車「グレンツェン」シリーズが発売され、人気を博しました。

2015年にはマイナーチェンジを実施。プリクラッシュブレーキシステム「Front Assist」やポストコリジョンブレーキシステムなど、安全性能が大幅に向上しました。また、燃費性能も向上し、環境性能も強化されました。このマイナーチェンジではグレード体系の見直しも行われ、「TSI Trendline」が追加されました。

その後も、2016年、2017年と継続的に改良や限定車の発売が行われ、顧客ニーズに対応したモデル展開が図られました。2019年にはディーゼルモデル「TDI Highline」を追加設定。2.0L TDIエンジンは高トルクを発生する仕様となりました。


日本市場におけるシャラン

日本市場においては、初代モデルが1997年から1999年にかけて、2代目モデルが2011年から2022年まで販売されました。日本仕様車は、日本の道路事情や顧客ニーズに合わせて改良が加えられており、高い安全性と快適性を提供していました。


生産終了

2022年10月、ポルトガルでのシャランの生産が終了しました。フォルクスワーゲンは、現時点ではシャランの後継となるスライドドア式のミニバンを開発・発売する計画はありません。


まとめ

シャランは、フォルクスワーゲンが長年にわたって製造・販売してきたミニバンです。フォードとの合弁事業として開発された初代モデルから、パサートをベースとした2代目モデルまで、常に時代に合わせて進化を遂げてきました。日本市場でも一定の人気を博しましたが、2022年の生産終了をもってその歴史に幕を閉じました。フォルクスワーゲンがどのような戦略でミニバン市場に対応していくのか、今後の展開が注目されます。

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