フォルティス

フォルティス（Fortis Uhren AG）

フォルティス（Fortis Uhren AG）は、スイスに拠点を置く著名な時計メーカーであり、強さを意味するラテン語の名前が示す通り、堅牢で実用的な時計の製造に特化しています。1912年にヴァルター・フォクトによってスイスのグレンヘンで創立されて以来、同社は数多くの革新的な製品を世に送り出してきました。

歴史的背景

フォルティスはその創立以来、確かな実力を示してきました。1926年には、ジョン・ハーウッドとの共同開発で世界初の自動巻腕時計を完成。この技術革新は時計業界における一大ニュースとなり、フォルティスの名声を確立しました。さらに、1937年には創業25周年を祝して初のクロノグラフを生産開始し、1954年には機械式アラーム時計の製造も開始しました。

1956年には初の防水機械式アラーム・クロノメーターが「スイス公式時間測定技術研究所」から優れたクロノメーターの称号を受賞し、その技術力は高く評価されました。フォルティスは、1968年に世界初のプラスチック製時計の発表に続き、1987年には75周年を記念した特別な「フリーガークラシック」シリーズを発表しました。

宇宙への挑戦

フォルティスは航空機業界だけに留まらず、宇宙産業でも重要な役割を果たしています。1992年には「フォルティス スペースアート」がロシアのロケットに搭載され、気象衛星と共に宇宙へ飛び立ちました。また、1994年には「コスモ ノート クロノグラフ」が宇宙飛行士の公式時計に認定され、ミール宇宙ステーションで初めて使用された自動巻クロノグラフとなっています。

フォルティスの時計は、その堅牢性からソ連空軍に公式時計として採用され、後にロシア空軍やイギリス空軍にも納入されました。このような実績により、同社は宇宙飛行士の標準装備器具と認定され、大気圏外でも使用される特別な存在となっています。これはオメガ社のスピードマスター・プロフェッショナルと同社の時計のみが持つ特権です。

近年の業績

1995年、フォルティスのクロノグラフがMiG-25に搭載され、世界最高高度記録の30,500メートルを達成。この記録は同社の技術力を強く印象付けるものでした。1997年には「コスモノート クロノグラフ」がドイツ・ロシア宇宙計画MIR97の公式時計に認定され、さらなる国際的な信頼を得ました。また、1998年には世界初の機械式アラーム搭載クロノグラフを開発し、2001年には「スペースエージェンシー・ロサヴァアコスモス」から特別な勲章を授与されました。

2002年には「B-42プロフェッショナル クロノグラフ」がユーロコプター エキュレイユAS350での世界最高高度記録を樹立。さらに2003年には「B-42コスモノート」シリーズを発表し、多彩な製品ラインを展開しています。

フォルティスは、実用性と革新性を兼ね備えた時計を提供し続け、多くの愛好者に支持されているブランドです。時計製造の伝統を守りつつ、新たな挑戦を続ける姿勢が、多くの人々に感動を与えています。

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