ユーロコプター エキュレイユ

AS350とAS355の概要

AS350とAS355は、アエロスパシアルによって開発された軽量ヘリコプターで、多くの場合、AS350は「エキュレイユ」、AS355は「エキュレイユ2」と呼ばれています。これらのヘリコプターは、特にその性能の高さから、世界中の多くの国で利用されています。

設計と開発の歴史

1970年代初頭、アエロスパシアルはSE.3130 アルエットIIの後継機を開発するプロジェクトを開始しました。AS350の初飛行は1974年6月27日で、双発型のAS355の初飛行は1979年10月3日という歴史があります。アメリカ合衆国においては、AS350は「エイスター」、AS355は「ツインスター」として知られることもあります。また、イギリスにおいては、これらの機体は「スクイレル」という名前で親しまれています。これらのヘリコプターは、ユーロコプター社（現在はエアバス・ヘリコプターズ）のもとで、EC 130という型名でも提供されており、その人気は依然として高いです。

特に、AS350は中国でリバースエンジニアリングされ、「Z-11」として生産されている点が注目です。これにより、AS350の技術が世界中で広がっています。

運用実績と特筆すべき出来事

特に注目すべきは、2005年にユーロコプターのテストパイロットであるディディエ・デルサルがAS350 B3を操縦して、エベレスト山の山頂に着陸したことです。この業績は、国際航空連盟によって認定された、世界初のエベレスト山頂へのヘリコプターの着陸記録となります。

複数の派生型

AS350およびAS355には、数多くの派生型が存在します。単発型のAS350は、試作機や消防仕様の他、エンジンの異なるモデル（B、B1、B2、B3）があります。特にAS350 B3は、デジタルエンジンコンピュータを搭載しており、エベレスト着陸の歴史的な機体であることや、その性能からも広く認知されています。双発型のAS355も、さまざまなバリエーションがあり、単発型や軍用型も加わります。

また、AS355 Nは、FADECシステムを搭載した最新型で、アメリカではツインスターとして親しまれています。このように、AS350とAS355はそれぞれに独自の発展を遂げ、多くの国で運用されています。

特徴とスペック

AS350 B3の主な仕様には、乗員1名、定員6名、全長12.94m、空虚重量1,241kg、最大離陸重量は2,370kgが含まれています。また、巡航速度は259km/h、航続距離657km、実用上昇限度は5,044mという性能を持ち合わせています。これにより、救助活動やその他の運用でも高い能力を発揮しています。

世界各国の運用

AS350とAS355は、多くの国々で軍用または法執行機関で使用されています。アルバニア、アルジェリア、オーストラリア、カナダ、フランスをはじめ、多数の国で運用され、特にイギリスでは、AS350 BBが国防ヘリコプター飛行学校で使用されていることが注目されます。また、日本の国立極地研究所でも南極観測船「しらせ」に搭載されるなど、多目的に活躍しています。

映画やメディアに登場

AS350は、映画やテレビドラマにも多く登場しており、『仮面ライダーBLACK RX』や『ダイ・ハード4.0』など、さまざまな作品での使用が確認されています。これにより、一般における知名度も高まり、その存在感を示しています。

AS350とAS355は、高性能と多用途性を兼ね備えたヘリコプターとして、今後もさまざまな場面で活躍し続けることでしょう。

もう一度検索