フォルモーサ (アルゼンチン)

フォルモーサ：アルゼンチンの美しい州都

フォルモーサは、アルゼンチン北東部、パラグアイとの国境を流れるパラグアイ川のほとりに位置するフォルモーサ州の州都です。2010年の国勢調査によると、人口は約23万人。フォルモーサ州における製品加工産業の中心地であり、パラグアイ川は州の生産物の重要な輸送路となっています。

歴史

この地には、かつてトバ族やウィチ族といった先住民族が暮らしていました。1879年、ルイス・ホルヘ・フォンターナ司令官が入植地を建設し、1884年から1955年までチャコ準州の州都として機能しました。1988年には、アルゼンチン国立北東大学のフォルモーサキャンパス（国立フォルモーサ大学）が設立されています。

市名と州名は、スペイン語の「fermosa」（美しい）に由来します。16世紀のスペイン人水夫たちは、パラグアイ川の湾曲した場所を「ブエルタ・フェルモーサ」（美しい湾曲）と呼んでいました。これは、伝説の銀山を求めて川を遡る水夫たちの間で生まれた言葉です。偶然にも、アルゼンチンの対蹠地に近い台湾も、かつて「フォルモーサ」（ポルトガル語）と呼ばれていました。

文化

フォルモーサの文化は、パラグアイ川を挟んでパラグアイと隣接しているため、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスよりもパラグアイの影響を強く受けています。近年整備されたコスタネーラと呼ばれる遊歩道は、市民の憩いの場となっており、アート作品の展示やファストフード店、屋台、クラブなどが軒を連ねています。また、コンプ・トバ工芸美術館やオスカール・アルベルタッシ美術院など、文化芸術施設も充実しています。

観光

1970年代から、フォルモーサは冬の観光地として国内観光客を集めていましたが、2002年のペソ切り下げ以降は外国人観光客も増加しています。市内のホテルは、国際観光ホテルとハワード・ジョンソン・ネオ・フォルモーサという2つの5つ星ホテルを中心に、4つ星ホテルもいくつかあります。カルメン大聖堂や市庁舎、トレージ植物園、フォルモーサ州歴史博物館、フアン・パブロ・ドゥファルド歴史博物館、エスタディオ・センテナリオ（サッカー競技場）、グアイコーレ動物保護区、パラグアイ川沿いの風景、オロ島、ホセ・デ・サン・マルティンの名を冠した中央広場などが主要な観光スポットです。

フェスティバル

毎年7月16日には、市の守護聖人であるカルメンを祝う祝祭が開催されます。サン・マルティン広場では、伝統的なペリコンダンス（アルゼンチンの民族舞踊）が披露され、食べ物からおもちゃまで様々な露店が並びます。また、11月には川祭り、2月の週末には謝肉祭、4月にはフォルモーサ財団のフェスティバルが開催されます。

交通

フォルモーサは、首都ブエノスアイレスから約1200kmの距離にあり、国道11号線で結ばれています。市街地から7kmの場所にはエル・プク空港（フォルモーサ国際空港）があり、アルゼンチン航空がブエノスアイレスとの間に定期便を運航しています。

気候

フォルモーサは温暖湿潤気候（ケッペンの気候区分：Cfa）に属し、アルゼンチンで最も温暖で湿潤な地域の一つです。冬は比較的過ごしやすく、霜が降りることは稀です。夏は湿度が高く、気温が35度を超える日が多く、熱波が来ると40度を超えることもあります。降水量は年間を通して安定しており、激しい雷雨や突風に見舞われることもあります。

フォルモーサは、豊かな自然と文化に恵まれた魅力的な都市です。アルゼンチンを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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