降水量

降水量について

降水量（こうすいりょう）とは、大気中から地表に落ちる水分の総量を指します。この概念には雨、雪、霰、雹などが含まれており、水に換算した体積が通常は平方メートルあたりのミリメートル（mm）で表現されます。気象台で用いる雨量計やアメダスなどの機器によって、降水量が観測・計測されています。

降水量の観測

降水量は一定の時間における降水の合計を示します。具体的には、雨量計によって集められた雨や雪、霰（あられ）、雹（ひょう）の体積を集約することによって求められます。降水量は主に0.5mm単位で計測され、1時間雨が降った場合、1時間降水量として発表されることが一般的です。それ以前は0.1mm単位での計測が行われていましたが、1967年以降は現在の方式に移行しました。

降雨量と降雪量

降水量の中でも、雨の量に特化したものは「降雨量」と呼ばれ、一方で雪の量に特化したものは「降雪量」と扱われます。特に寒冷地では、雪の計測にヒーターを用いて溶かしつつ測る雨量計も存在します。また、降水量は降った時の総量を示しますが、積もった雪に関しては積雪深として別途観測されることが重要です。これは、雪と雨では密度が異なり、積雪は気温や地面の温度に影響されるためです。

日降水量と24時間降水量

「日降水量」という用語は、一日の降水量を0時から24時までの単位で示すものです。しかし、深夜から未明にかけて激しい降雨が続く場合、この記録は2日に分けて発表され、降水の激しさを必ずしも正確に反映しきれない場合があります。そのため、ある任意の時間内の降水量を示す「24時間降水量」も併用されます。

例えば、静岡地方気象台では2004年6月30日に368mmの降水が観測されるなど、記録的な降水量が報告されています。この一方で、1974年には七夕豪雨として知られる508mmの降水が観測されています。

確率降水量

過去の降水データをもとに、統計学的に算出した数値も存在します。これを「確率降水量」と呼び、特定の再現期間内にどれくらいの降水量が発生するかを示しています。これによって、都市計画や防災に役立つ情報が得られますが、確率降水量は実際の降水量とは異なるため、その性質を理解して扱うことが重要です。

降水量が私たちの生活に与える影響

降水量が1時間に1mmであれば、1平方メートルの面積あたり1リットルの水が降ってくることを意味します。テレビの天気予報では、しばしば「x mm/h」といった形で降水量が報道されますが、この表現は特に重要です。

日本での降水量の表現には、「時々」、「一時」、「のち」などの用語が使われます。

• - 時々: 気象状況が断続的で、予報期間の半分未満の続くとき。
• - 一時: 気象状態が連続しているが、予報部分の4分の1未満の時間である場合。
• - のち: 予報期間を通じて、異なる天気が前後で起こる場合。

降水量の記録

降水量は国内外で様々な記録を持っており、日本国内での最高記録も複数存在します。例えば、日降水量における日本の最高記録は、徳島県那賀町海川で観測された1317mmです。また、屋久島では年降水量が10,000mmを超えることもあります。これらのデータは、地域によって降水量が大きく異なることを示しており、気候や地形が与える影響を物語っています。

降水量は、普段の生活や自然環境に密接に関連している重要な気象要素であり、私たちの理解を深めることで、より適切な対策や準備が可能となります。

もう一度検索