フォワーダ

フォワーダとは

フォワーダ（forwarder）は、主に林業で用いる積載型の集材作業車で、さまざまな長さの木材を運ぶことができる機能を持っています。荷台のサイズによって、短い幹材から長い材木までを効率よく積載することができます。特に不整地や軟弱地などのトラックが難しい場所でも、厚い接地面を持ったクローラや不整地用タイヤの装備により、高い安定性と走行性能を発揮します。

高性能林業機械の一種として、スキッダやタワーヤーダ、スイングヤーダなどの集材機械と同カテゴリーに位置づけられます。

車体構造の分類

フォワーダは主に2つの車体構造に分類されます。

アーティキュレイト式

アーティキュレイト式は、一般的にタイヤ式のフォワーダに多く見られる構造です。これにより小回りが利き、狭い場所での移動が得意です。この型には、後輪の代わりにクローラを装備するモデルも存在し、接地圧を軽減することができます。

リジット式

一方、リジット式はクローラ式のフォワーダで多く採用されており、車体構造がコンパクトであるのが特徴です。木材を載せた際に安定感が増し、操作が容易になります。

走行部の分類

フォワーダの走行部は主に2種類に分けられます。

クローラ式

日本においては、特にクローラ式が主流で、ゴムクローラを使うことが一般的です。この形式は安定性が高く、悪路でも優れた走破性を持っており、低規格の道路でも使用可能です。

タイヤ式

対してタイヤ式は、6輪以上の車両が多く、整地された道路を必要としますが、走行速度が速く運搬効率が良いのが特徴です。

荷台の分類

フォワーダの荷台は通常車両の後部に設置されていますが、小型機の場合には横に積載できるモデルも登場しています。これにより、長尺材を運ぶことが容易になります。

平型ボディ荷台

一般的な荷台の形状で、後方のサイドポールを取り替えることで材木の長さに対応します。ダンプ機能が装備されていることが多く、長尺版が追加される場合もあります。

パイプ積載

パイプに特化した構造で、車両フレームに立てられたパイプにより積載します。このデザインは底面のないため軽量化が図られ、重心が低く安定性が増します。

バイオマス対応型荷台

木材の他に、嵩高い末木や枝葉などを効率的に積むため、荷台フレームが伸縮し、圧力で積載量を最大限に確保する構造です。

フォワーダに搭載する機構

フォワーダでは、作業機械が搭載されることもあり、効率を一層高める要素となります。代表的な例としては、以下があります。

• - グラップルクレーン: 木材の積載と降ろしを行う機械。
• - ウインチ: 重量物を引き上げたり移動させたりするための装置。
• - クラムバンクスキッダ: 木材を効果的に運搬するための装置。

主なメーカー

フォワーダを製造する企業には、次のようなものがあります。

• - 諸岡
• - ウインブルヤマグチ
• - イワフジ工業
• - 筑水キャニコム
• - 前田製作所
• - 魚谷鉄工
• - 加藤製作所
• - ヤンマー建機

このように、フォワーダは林業での労働を大いに助ける重要な機械であり、その進化は続いています。

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