フォンニィ・フォンニャットの虐殺

フォンニィ・フォンニャットの虐殺

フォンニィ・フォンニャットの虐殺は、1968年2月12日にベトナム戦争中に発生した、大韓民国海兵隊による残虐な事件です。この事件では、ベトナムのクアンナム省のフォンニィ・フォンニャット村で、韓国海兵隊第2海兵旅団（青龍部隊）が暴力をふるい、69人から79人の非武装の民間人が命を奪われました。この虐殺は、当時の南ベトナムにおける韓国軍の行動の一つとして記録されており、戦争の悲劇的な側面を強く際立たせています。

事件が発生した当日、韓国海兵隊は村に入ると婦女子を強制的に集め、至近距離から銃撃し、また刃物で刺殺しました。その後、村に放火して立ち去りました。事件後、アメリカ海兵隊と南ベトナム軍が現場に到着し、生存者への手当てを行ったという状況がありました。アメリカの兵士は、事件の記録として現場の写真を撮影し、事態の詳細を捉えました。

この村はアメリカ海兵隊との友好関係が強く、村の男性は南ベトナム軍に参加していました。それにもかかわらず、韓国海兵隊はこのような残虐行為を実行し、その後の虐殺事件も続いています。特に、2月25日にはハミ村で同様の事件が発生し、135人の婦女子と老人が命を失いました。

この虐殺に対する反応は国際的にも注目されました。アメリカ陸軍のウィリアム・ウェストモーランド大将は、韓国軍に調査を求めましたが、韓国軍は操作を否定し、ベトコンによる陰謀だと報告したとされています。このような報告が展開される中、韓国においても政府が過去の虐殺事件に関して共産主義者の責任を強調し、事件の真相が隠蔽される場面もありました。

1970年にはアメリカ軍監察官による調査が行われ、最終的には韓国海兵隊の虐殺事件であると確認される報告が提出されました。一方で、韓国の指導者たちはこの事件について「戦争では普通のことである」と軽視する姿勢を見せており、この問題に対する意識は依然として分かれています。

時が経つにつれて、事件の生存者やその遺族は韓国政府に対し賠償を求める動きが強まりました。1969年には南ベトナム議会に賠償請願書が提出され、その後も様々な組織が事件の真相究明を求め続けました。2013年には、韓国国防部が「組織的な民間人虐殺は不可能」との見解を示し、事件を否定する姿勢を取る一方で、一般市民や弁護士団体は真実を追求し続けました。

2018年には、市民平和法廷が設立され、フォンニィ・フォンニャットの虐殺の生存者らが原告となり、韓国政府に対する訴訟が行われました。最終的に「重大な人権侵害であり、戦争犯罪として認定される」との判決が下され、韓国政府の責任が認められました。

2020年には、この事件の生存者が韓国政府に対して補償を求める訴訟を起こし、2023年にはソウル地裁が原告の証言を事実として認定し補償金の支払いを命じる判決が出されました。事件の詳細や背景が明らかにされつつあり、多くの人々がその記憶を風化させないよう努力しています。

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