フォーク・ビレッジ

フォーク・ビレッジ

『フォーク・ビレッジ』は、日本のラジオ番組で、1966年8月1日から1982年4月2日まで放送されました。この音楽番組は、ニッポン放送を中心に多くのNRN加盟のラジオ局で放送され、アマチュアフォークシンガーの発掘と育成を目的とした内容で展開されました。特に、普通の学生たちがカレッジ・フォークを歌う姿に注目し、フォーク音楽界の新星を輩出する場として機能しました。

番組の誕生と展開

番組の創設は、当時のニッポン放送編成局長羽佐間重彰の指導によるもので、彼は「必ずフォーク全盛時代が来る」との見解から、アマチュア専用の音楽番組の制作を指示しました。そして、番組初回に登場したのは、立教大学の学生たちによるフォークグループ「ブライトリー・フォア・ベンダース」でした。

制作者の島田多津郎は、東京を中心とした関東の各大学に参加を呼びかけ、200組以上のアマチュアグループが応募しました。中には楽器や楽譜を持っていないグループもあったため、音楽技術の向上を目的とした『音楽クリニック』も企画され、専門家による指導が行われました。このクリニックには、金子洋明や石川鷹彦といった著名なアーティストが参加し、演奏技術やコーラスアレンジについての助言を行いました。

全国フォーク音楽祭

1971年からは、フォークシンガーの新人発掘を目的に「全国フォーク音楽祭」が開催され、番組はこのイベントと連動して、地方予選や全国コンクールの音源を放送しました。これにより、多くのアーティストがこの舞台から羽ばたき、フォーク音楽界に新たな息吹をもたらしました。

番組の提供と変遷

本番組はライオン歯磨一社の提供で、初めは「バイタリス・フォーク・ビレッジ」というタイトルでスタートしましたが、1974年に「ライオン・フォーク・ビレッジ」と改名されました。特に1970年代中盤までは、フォークソングが大変人気を博し、多くのアーティストがこの番組からデビューしました。

1980年代には、フォーク音楽の人気が下火になり、1982年の改編で番組は終了。後継番組「桑田佳祐のミスターポップス！」が4月5日から開始され、15年8か月の歴史に幕を下ろしました。

番組を支えたパーソナリティ

この番組には、歴代にわたって多くの著名なパーソナリティが参加しました。ジミー時田、広川あけみ、吉田拓郎、かまやつひろし、谷村新司、山本コウタローなどがその代表例です。放送中も多くのリスナーから愛され、アマチュアアーティストたちの基盤を築く役割を果たしました。

影響を与えたアーティストたち

その後、本番組からは多くの有名アーティストが輩出されました。吉田拓郎や森山良子、井上陽水といった面々は、その後の日本の音楽シーンに大きな影響を与え、フォーク音楽はさらなる歴史を重ねました。

まとめ

『フォーク・ビレッジ』は、アマチュアフォークシンガーによる音楽番組として、数多くの新しいアーティストの誕生を見守り、フォーク音楽の普及に寄与した特異な存在でした。この番組で育ったアーティストたちは、今なお日本の音楽シーンにおいて重要な役割を果たしています。

もう一度検索